和をたしなむ

2019.11.06更新 - 徒然なるままに

ものつくりの現場の現実。

 

先日、あるクラウドファンディングの存在を知りました。

 

きもの業界に関わるもので、

私も知っている機屋さんが取り組まれているものでした。

 

 

西陣織の名店、「おび弘(おびひろ)」さんのファンディング。

 

機織り機の修繕費用を求めるものであり、

100年後も手織りの魅力を残していくためのものです。

 

 

上にも書きましたが、おび弘さんといえば西陣織の名店。

 

数ある西陣織の袋帯の中でも、

手織りの逸品を織られている事はもちろん、

相撲力士のまわし(締め込み)を手織りで織り上げたものは、

世界中でもこのおび弘さんのものだけという事でも、

ご存じの方も居られるかと思います。

 

 

はじめ、このファンディングを見た時は、正直少しショックでした。

 

 

ここからは失礼を承知で書きますが、

 

知らない機屋さんがするならまだしも、

知る機屋、それも名店がされている事に驚きを隠せませんでした。

 

そこまでしなければならないのか、という想いが湧いてきます。

 

 

ただ、これが今の業界の現実。

 

 

ものつくりの現場は、切羽詰まった立場から更にもう一歩、

踏み入れてはいけない場所に入らざるおえないところに来ているという事です。

 

 

詳しくは、ファンディングのページをご覧頂きたいのですが、

リンク先手織り西陣織を100年先に残すために。

 

西陣織を含めた機織りや、友禅を含めた手描きなど、

手作業が絡むどの現場においても、

 

作り手の後継者不足はもちろんですが、

それを作り上げる道具や工機の部品、

代替えの機械そのものを手に入れる事が困難になっています。

 

作りたいものを製作するためには、

その道具自体、作者に合わせたオーダーメイドという事が、

結構多いという事です。

 

 

自身、色々な産地に赴き、ものつくりの現場を見せて頂きましたが、

機織り機は何台か持っていても、実際に稼働しているのは1機のみ。

 

その理由を聞けば、

壊れた時の部品取り用にキープをしているという話は、

今まで何回も、どこの産地でも、聞いてきました。

 

 

古きよきもの、残したいものが、今、自分が生きている時代を経て、

次の時代へと受け継がれていく事を切に願って。

 

 

ファンディングへの協力はもちろんですが、

着物屋としてしっかりと着物を見分け、仕入をしていきたいと思います。

 

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