和をたしなむ

2018.06.27更新 - コーディネート紹介

染の繊細さを夏衣で味わう。 夏小紋「草かげに線花柄」×絽九寸名古屋帯「草原の風」

 

今日ご紹介する一品たちは、当店としては珍しい垂物(たれもの)、

いわゆるところの「染物」のコーディネートです。

 

染帯は織物にも合いやすいので比較的数を揃えているのですが、

今日の様な「染×染」のご紹介は珍しく、

染物らしい柄表現の繊細さ、垂物の力を感じる組み合わせになりました。

 

 

千切屋 蝋纈染絽小紋「草かげに線花柄」 × 染の川勝 絽九寸名古屋帯「草原の風」

 

染物らしい柔らかな質感や繊細な色表現・柄表現がとても美しい、

垂物ながらも、きもの美濃幸好みのコーディネートです。

 

 

どちらも京都の名店が手掛ける一品で、

両社ともに個性を持ったものつくりをされており、

 

小紋を染め上げた千切屋さんは、「伝統的」な雰囲気のものを、

九寸を染め上げた染の川勝さんは、「伝統から一色一柄、際立つ」ものを、

 

それぞれに方向性と個性を持ちながら、この一品たちは染め上がったのですが、

個性はぶつかり合うだけでなく、強調し合うところに、

その物が持つ「本来の力」があるではないかと、私は思っています。

 

 

この組み合わせも、そんな事を感じさせてくれるもの。

 

小紋の方は、絽の生地に丁寧に蝋纈が施され、

夏の草かげの雰囲気や、線で描かれた花の幽玄な雰囲気を、

染め上がりから感じさせてくれます。

 

 

夏の着物は、少しカラフルな色の方が陽射しの下で映えます。

 

この彩色も、そのあたりを意識しており、

草かげや花の挿し色は、「ちょっと華やかかな?」と感じるくらいの、

明るめの色目が挿されていますが、

夏の陽射しの下や、夏が持つ陽気溢れる空気感の下では、

これくらいが丁度いいと思える具合に染めあがっています。

 

 

帯は小紋と反対色。

 

淡色のものを合わせましたが、柄はとても個性的な染め上がりです。

 

 

私はこの帯の雰囲気が大好きで、

毎度のことですが、こちらの帯も一目惚れで見分けた一品。

 

絽の帯地に動きを感じさせる抽象的な柄が染め上げられ、

その生地感と相まり、躍動感を感じます。

 

 

挿されている配色も、本当に絶妙。

 

緑色ベースでまとめているのですが、

その中にも帯の個性を決める様な挿し色が染めつけられていて、

夏のお出掛けを一層華やかに、遊び心と共にお楽しみ頂ける事と思います。

 

 

染物の組み合わせという事もあり、

夏のパーティ等のフォーマル感のある場で、

着手の個性を引き立てる装いとしてお楽しみ頂ける事と思います。

 

 

夏のパーティは最近は少なく、

夏の和装のドレスコードと言えば、「浴衣」が定番になりつつあります。

 

もちろん夏の頃は、浴衣の軽やかさに勝る物はありませんが、

絹物や、こうした手染めの染物の品格は別格で、

そうした「夏着物のお洒落」を一人でも多くの方にお楽しみ頂けたら、

着物屋としては何よりも嬉しいこと。

 

梅雨も空けそうな、もうそこまで来ている夏の季節、

皆さまも夏着物の真髄、真価を楽しむ素敵な季節にしてみて下さい。

 

 

《 掲載商品詳細 》

千切屋 絽小紋「草かげに線花柄」 (絹100%) 200,000円(税別・反物価格)

染の川勝 絽九寸名古屋帯「草原の風」 (絹100%) 170,000円(税別・反物価格)

 

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