和をたしなむ

2017.09.12更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

美意識の極みの世界を。「小倉淳史作 九寸名古屋帯 菊に小菱散らし 辻が花」

 

着物の染織の中には、染・織とあまたの作者がおられ、

 

名前も実も世間に通った作家のみならず、

名を通さずに物作りを命を注いでいる職人気質の方も多くおられ、

 

当店のように物に向かっている着物屋にとって、

素晴らしい物作りをされる方々の存在は、

かけがえのない存在だと、常々感じています。

 

 

そんな作者の中でも、

染物に関して言えば、私が一番好きな作家がいます。

 

今秋、その方が染め上げた名古屋帯を、

店に掛ける事が叶いました。

 

 

 

小倉淳史作 九寸名古屋帯 「菊に小菱散らし 辻が花」

 

数ある辻が花染をされる作家の中でも、

際立った美意識を持って物作りをされている、小倉淳史氏の一品です。

 

 

130年以上もの永き間、

京都の染織工芸を代表する家で育ち、

 

経歴や家系を超えた、真摯に物作りに向かわれているご姿勢は、

私も問屋さまで何度かお会いし、お話しをする機会がありましたが、

 

何か、他とは違うものを感じさせて頂ける、素晴らしいお方。

 

 

美しいものに囲まれ、美意識が育まれ、またご自身も追及されているからこそ、

際立った何かを感じさせてくれるのだと、物と向かい合うと感じさせられます。

 

 

小倉先生の一品は、今迄も何点か店に掛ける機会があったのですが、

私たちが好きで止まないからでしょうか、どれも店にいてくれる時間が短く、

その美意識に共感される方の元へ渡っていっています。

 

 

 

物の事に関して、私がとやかく言うのは野暮というもの。

 

ご覧頂いている皆さまに、ご評価いただけたら何よりの事ですが、

私が小倉先生の一品に向き合い、いつも感じる事は、

 

女性が纏って、美しくなること。

 

を考え抜かれているという事です。

 

 

兎角、俗にいう「作家物」になると、技法や技巧に重きを置き、

ファッションとして「着る」ことが、二の次になることが散見されます。

 

 

小倉先生の一品たちは、

先生ご本人も言われている様に、

 

女性が美しくなること。

 

を想定し、

そのために技法や技巧があるという事を、

いつも一品を前にして感じます。

 

 

 

美意識の源流はどこにあるのか、

 

止むことのない美意識の極みは、これからどの様な一品と成り、

私たちの心を魅了させてくれるのか。

 

きもの屋として、そして、小倉淳史の一ファンとして、

何より楽しみで仕方なく、

 

これからもそうした一品との出会いを、

心から楽しみにしています。

 

ご来店の際は、時間のゆるす限り、

美意識の極みの世界に触れるひとときをお楽しみ下さい。

 

 

掲載商品詳細

 

小倉淳史作 九寸名古屋帯 「菊に小菱散らし 辻が花」 190,000円(税別・反物価格)

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