和をたしなむ

2019.10.02更新 - 徒然なるままに

日本の色と草木の色。

 

昨日の夜、9月30日に染色家の吉岡幸雄氏が、

お亡くなりになられたという訃報に接しました。

 

 

日本の染色、草木染の発展に尽くされた氏のご功績は、

私がとやかく言うものでもなく、

またそうした氏の功績は、皆さまも知る限りのことと思います。

 

 

私自身、実際にお会いしたこともなく、

氏の代表著書「日本の色辞典」を手元に置いている訳でもない、

とてもミーハーの様な関わりですが、

当店のサロンスペースにある本棚には、氏の著書が二冊と、

お父様である吉岡常雄氏の著書が置いてあります。

 

 

着物に関係する染色に限らず、日本の色区分は正に多彩で、

微妙な色の違いを区別し、そのひとつひとつに名前を付けて、

季節ごと、その場ごとに、使い分けては、そのものを愛する。

 

 

日本の文化と日本の色は、とても密接に、

互いが在ってこその、そんな存在だと思っています。

 

 

私もそんな日本の色や柄の粋を、

集めた着物を扱わせて頂いているひとり。

 

 

空いている時間や、こうしてコラムを書いている中で、

色について疑問に感じた時などは、

氏の本を開いては納得し、記事を書く様にしています。

 

 

草木染はとても繊細。

 

反面、自然志向が強いように思いますが、

ひとつの色を染め上げるために、膨大な草木が必要となり、

自然への負荷も大きいのが現実です。

 

なので、私が出会った草木染染色家は皆さまそれを自覚し、

使命感を持って取り組まれています。

 

 

時代に従いつつも、

ある意味では逆行している草木染の世界を求め、

それを基に築き上がった日本の色を求め、

 

これからも変わらず、吉岡先生の本を読み、勉強を重ねて、

少しでも誇れる着物屋になりたいと改めて思っています。

 

 

どうぞ安らかにお休みくださいませ。

 

心からご冥福をお祈り申し上げます。

 

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