和をたしなむ

2017.04.11更新 - 徒然なるままに

葛布について。「4/20・21・22開催 大井川葛布展~古代布の源流に触れる~」

 

 

今月末に開催します「大井川葛布展~古代布の源流に触れる~」に向けて、

鋭意準備中のきもの美濃幸です!

 

 

会が始まる前に一度、葛布について私が知るところを、

少し書き記していこうと思います。

 

まずは「葛布」について。

 

 

葛布」は、

三大原始布(古代布)」のひとつで、

 

沖縄の「芭蕉布」、東北の「しな布」と並び、

日本の自然風土の中で生まれ、育まれ、今の世に受け継がれてきた、

自然から繊維を頂き、自然の営みの中で製織された布地のこと。

 

「古代布」と付くくらいなので、もちろんその歴史は古く、

中国では紀元前4325年頃の遺跡から葛布が出土、

 

日本でも、古墳時代前期の古墳から銅鏡に付着した葛布が出土されるなど、

現存するもの以外でも、文献で記載されているところを辿るだけでも、

人間との関わりが深い布地だった様です。

 

近年(江戸時代近辺)に近付くと、葛布は生地の丈夫さと通気性などから、

鎧下に使われたり、公家の装束に使う布としても活用の場が広がり、

裃などにもされていたそうです。

 

下の写真は、

大井川葛布工房の村井龍彦氏が保管されている、

江戸時代の裃。

 

 

 

 

もう一枚は、同じく村井さんが保管されている、直垂。

 

 

 

 

江戸時代の武士が着ていたらしい、

葛布の防寒コート(外套)も拝見させて頂きました。

 

 

 

神職さんの装束なども保管されています。

 

 

葛布というと、

その素材感から「単衣~夏」というイメージがありますが、

防寒コートの生地に使われていたという事は、

それが使われていた季節は思っている以上に広かったそうで、

 

実際に葛布の特性上、保温性もしっかりとしており、

防寒たりえるものだったと考えられています。

 

とここまでが、

葛布の大まかな事と歴史について。

 

次回は、葛布が織り上がるまでの工程を書いていこうと思います。

 

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