和をたしなむ

2018.10.24更新 - 徒然なるままに

10月の歌舞伎座、想いを込めた結城紬と洛風林の帯で。

 

先日、オープンと同時にお客様がお越しになり、

お着付とお支度のお仕事を頂きました。

 

祖母様の頃からお世話になっているお客様で、

その方がお生まれになった頃から良く知っている女将が、

一昨日あたりから準備を整えていました。

 

こうした末永きお付き合いをさせて頂ける事は、

街の着物屋ならではの喜びだと思います。

 

 

今月の歌舞伎座で開催中、

中村勘三郎さんの七回忌追善公演を楽しまれるとのこと。

 

歌舞伎初心者の私も、以前からネットでチェックをしており、

行きたくてしかたない素晴らしい演目と役者さんが広げる舞台。

 

きっと心から楽しまれることでしょう。

 

 

そんな、素晴らしい会に向かわれる着姿はこちら。

 

 

全身はやめてー!!

 

との事で、一番素敵で、またお客様が拘られた、

帯まわりをご紹介します。

 

 

こっくりとした深みのある結城紬の無地に、

洛風林の袋帯をコーディネートし、帯〆と帯留で秋色を挿されています。

 

 

こちらの結城紬は、

お母様がお召になっておられたものを染め直し、

裏地も共に染めて誂えなおしたもの。

 

解いて染め直しをするので、

生地の地風も柔らかで肌さわりが良くなり、

縫い糸も新しくなるので、もうひと時代、楽しみにお召し頂ける事と思います。

 

 

洛風林の帯は、お客様が一目惚れをされた袋帯。

 

シックな地色の太鼓柄とシンプルですが、

シンプルだからこそ極まる美しさが在る一本です。

 

 

何を着て行こうか、どの長着とどの帯を合わせようか、

直前まで迷われていたのですが、

10月の歌舞伎座とお聞きした時点で、

「絶対これにしましょう!」とお勧めした、間違いなく素敵なコーディネート。

 

今月の歌舞伎座(特に夜の部)は、華やかな演目という事もあり、

秋色たっぷりのコーディネートもきっと馴染むかと思いますが、

副題にある、「中村勘三郎追善」を考えると、

少し色のトーンをおとし、シックな装いの方が、

会場の雰囲気に向くのではと、私は思います。

 

 

着物と帯の色はおとした分、お太鼓の品のある豪華さと、

帯〆や帯留の色の取り合わせや、振りから覗く朱赤の色が、

女性らしさと季節感を感じさせてくれます。

 

 

たかが観劇、されども観劇。

 

もちろん、どんな衣裳で行かれても個人の好みの問題なので、

誰が文句を言う必要もなく、そうすること自体野暮なことですが、

着物屋としてご相談を受けた以上、

出来る限り、観劇も雰囲気も着物もどれもが一緒になって楽しめるものを、

ご提案したいと思っていますし、

そうした楽しみが出来る事も、歌舞伎の楽しみのうちだと思います。

 

 

 

この歌舞伎座も、ご当地御園座の顔見世も、明日が千穐楽。

 

皆さまが自分らしく楽しめる衣装とともに、

夢のような時間をお楽しみ下さいませ♪

 

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