和をたしなむ

2021.01.12更新 - 徒然なるままに

「振袖」の意味を教えて頂きました。

 

令和3年の成人の日。

 

成人の節目を迎えられました、

新成人の皆さま、またご家族様さま、

誠におめでとうございます。

 

 

思う様にならない状況下でしたが、

今日の門出が善き日となる事を心からお祈りいたします。

 

 

当店でも何名様か、成人の日の準備をさせて頂き、

そのお一人さまが、着姿を見せにご来店下さいました。

 

 

お嬢様のお好みと個性に合わせた、

無地の振袖。

 

 

無地振袖を誂えるにあたり、

各種の白生地から吟味し始めたのが、初夏の頃でした。

 

 

赤とか、花柄とかはお好みでない事は、

前々からお母様より聞いていたのと、

ただし、色だけが前面に出ず、

振袖らしい格式を白生地から持たせたいご家族様の意向のあり、

古典的な地模様のものを中心に、「色」が活きる生地を選びました。

 

 

色見本帳から、好みの色を抜き取り、

 

 

お好みと似寄りだった妻の色無地を着て頂き、

そこに色見本を当てて、顔映りを確かめながら、

最良の一色を選んでいきました。

 

 

染屋さんにも、十二分にご意向を伝え、

万全を期して染め出しをしましたが、

今となれば、ここが一番緊張した仕事でした。

 

 

染め上がりをご確認頂いたのち、

もうひとつの個性を引き立てるために、

お嬢様がデザインされた花紋をひとつ、背に入れました。

 

 

デザイン画を基に、刺繍糸を実際に取り寄せて、

染め上がりの生地の上での映え具合を、

一色ごと確認し、刺繍の仕事出し。

 

出来上がりの写真を撮り忘れましたが、

丁寧な手刺繍がひとつ入る事で、

振袖の特別感と格が仕上がったと思います。

 

 

その後、帯選びと、小物選び。

 

 

無事、年内に仕立て上がり、

今日の善き日を迎える事となりました。

 

 

 

ご納品の際、

 

お母様から初めて聞かせて頂いたお言葉に、

「振袖の意味」を痛感しました。

 

 

詳しくは書きませんが、

振袖は成人式のための衣裳ではなく、

お嬢様やご家族様が無事、ハレの時を迎える、

祝い、安寧な気持ちを込めて誂える衣裳。

 

その暖かな想いと願いを込めて、

一着の振袖を誂えるという事を、

改めて、今回の振袖を別誂えする中で感じ、

学ばせて頂きました。

 

 

こうしたお誂えの振袖から、

お母様がお召しになられた振袖、

セットでご購入された振袖や、

レンタルをされた振袖まで、

 

きっと、そのひとつひとつの振袖に、

ひとつひとつ違った、親が子を想う気持ちが込められており、

そのハレのひとときのひとつとして、

今日の善き日があるのだと思いますし、

 

そうした想いの一助をさせて頂けた事に、

きもの屋としての誇りと喜びが在ります。

 

 

先にも書いた様に、

すべてが思うままにならなかった、

今年の成人の日。

 

 

今日という一日は終わりますが、

大切な想いは振袖と共に残り続け、

その想いが新成人の皆さまにとって、

これから歩まれていく人生の、

かけがえのないひとつとなればと、切に願っております。

 

 

I様、誠にありがとうございました。

 

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