「私だけの一色」を染め上げる。
今日は、
美濃幸の「誂え品」について、
少し書いていきたいと思います。
「誂え」や「別注」と聞くと、
それだけでハードルが上がる方も、
結構おられるかも知れませんが、
コラムを読んで頂いている皆さまの中で、
そうしたハードルが少しでも下がり、
着物を通して、
「自分らしいお洒落」
をお楽しみ頂ける方が一人でも増えたら、
何よりも嬉しいと思っております。
では、「八掛」からご紹介します。
袷の着物には、
「八掛」という色付きの裏地が付く訳ですが、
その色選びがとても重要。
一色変えるだけで、
着姿全体のイメージがガラッと変わります。
当店では、
着物をご注文された方がよく見かける、
「見本帳」を使った八掛選びをしますが、
それでもそのお客様に最適な一色が見つからない場合は、
店にある着物の色や、合わせる着物の色、
また何千色もある色見本帳から一色を探し、
その色を染屋さんに送って別染をしてもらいます。
今日は、その八掛が何枚か染め上がりました。
先にも書きました通り、
染屋さんには小さな色見本となる端布を送り、
それをもとに色染をしてもらう訳ですが、
その見本通りに染め上げるのは、
かなりの至難の業。
懇意にさせて頂いている染屋さんは、
そうしたわがままにも職人業で応えてくれる上、
当店は加えて、
「お客様のお好み」や「着たいスタイル」も、
合わせて染屋に伝えて、
実際の色目も、イメージの色目も、
どちらもそれに似合うそのお客様だけの一色を染めて頂きます。
こうした一連の仕事のなかで、
お客様にお仕事して頂く事は、
「色選び」のみ。
あとは、私たちがお話を聞きながら、
最良と思える一色を選んでいきます。
費用的には、当店の場合は、
既製品の八掛と同じお値段、
もしくは、少しだけ高め(数千円程度)
染めるために少しお時間を頂きますが、
その待つ時間も、着物を誂える楽しみです。
着物が自分らしいスタイルと共に在り、
それを創り上げる色の世界が、
自分だけの色に染め上がる様に、
微力ながらお手伝い出来ればと思います。
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