きもの上級者が求める『単衣』の魅力。
『いざ、夏!
涼やかに、心地好く。
着物から夏をはじめよう。』
「夏衣お披露目会」
5月30日(土)まで開催しております。
詳しくはこちら
今日は美濃幸好みの単衣コーディネイトをご紹介いたします。
着物は季節に合わせて色柄を変えるだけではなく、
そのものの素材や仕立て方も変えていきます。
生地そのものが厚くなったり、薄くなったりもしますが、
透け感のある絽や紗という生地は夏衣向きの生地であり、
反対に空気を沢山含んだ真綿を使った真綿紬などは秋冬向きの生地だったり、
生産がされている産地の特徴や、気候風土に合わせて、
色々な素材や色柄を組み合わせていき、
ただ体感的に快適なものを求める事に留まらず、
視覚的にも季節感を感じる装いを楽しめるところに、
和装ならではの楽しさと醍醐味があります。
お仕立ての仕方は、大きく分けて2種類。
裏地を付け、秋冬を中心に着こなしていく「袷」と、
裏地を付けずに初夏と初秋に着こなしていく「単衣」です。
昨今の温暖化と酷暑化により単衣が注目をされており、
この「夏衣お披露目会」の会期中も、
ご来店下さった皆さまとの会話のなかで、
「単衣」というキーワードが沢山ありました。
これだけ気候が変わっていくと、
袷よりも単衣の存在感と重要性が増してくる事は必然で、
その単衣もワンパターンではなく、
生地感や色柄を変えながら、
何着か用意しておかなければという事が、
着物を日常的に楽しまれている皆さまの中で話題となっています。
そして本来の単衣は、
ただ裏地を付けずに仕立てるものではなく、
単衣用の楊柳生地を選び、
色柄から感じる見た目の涼感に加えて、
その楊柳生地ならではのサラッとした生地感をも楽しめるところに、
単衣ならではの魅力があります。
帯や長襦袢も同じく、帯〆や帯揚げ、半襟もそれに然りで、
本来の単衣(単衣に限らず袷も夏衣もですが)は、
そうしたトータルコーディネートから、
季節を感じ、そして愉しむところにあります。
と言っても、
そこまで徹底する事も難しく、
また、この頃の気候は日々移ろっていくものですので、
折々の気温や天候に合わせて、
長着は単衣だけど帯は夏帯にしてみたり、
長襦袢で体感温度を調整してみたり、
半襟だけ楊柳のものを付けて、それらしく見せてみたりと、
工夫を重ねながら、
自身が心地好く過ごせるコーディネートを創り上げていきます。
今日ご紹介します単衣附下のコーディネートは、
今や珍しくなりつつある肌触りの良い楊柳生地を使い、
初夏ならではの季節感を感じていただける組み合わせを意識しました。

〇 附下「単衣向き・楊柳生地・草花つなぎ・鳩羽鼠色」
〇 九寸帯(名古屋帯)「洛風林・単衣・夏衣向き・横段」
楊柳生地をこっくりとした鳩羽鼠色に染め上げ、
そこに初夏を感じさせてくれる草花模様を染め上げた附下と、
シンプルかつ、織の表情が美しい、
洛風林さんが手掛けた単衣から夏衣に向く九寸帯を合わせました。

鳩羽鼠色は玄人好みの色目。
色だけで見ると渋い印象を受けますが、
染柄が肩山から裾に掛けて、流れる様な柄付けがなされており、
この柄の印象を際立たせるには良い塩梅の地色になります。

これが水色や若草色といった、
単衣にありがちの色目でありますと、
大胆な柄付けと相まり、かなり豪華で華やかな印象になってしまい、
楚々とした玄人好みとは離れてしまいます。
そうしたあたりも計算し尽くし、
また、柄の彩色は胡粉の白と墨黒のみで仕上げ、
要所要所に少しだけ金彩と刺繍が施されているので、
礼装としての附下の品格をきちんと保たれた仕上がりです。

帯合わせは、この柄の雰囲気を活かすために、
シンプルなものを選びました。
洛風林さんが手掛けたこちらの一本は、
全体的に透け感のある織り上がりですが、
お太鼓と前腹部分は一層透かしがなされており、
また水色と鼠色のモール糸が織り込まれているので、
柄のない、横段だけを織り上げたものではありますが、
その織の表情が着姿にアクセントを加えてくれるのと、
こうした大胆な構図の附下に良く馴染み、
それを引き立ててくれる名脇役になってくれます。

帯〆はそれに馴染む、一層シンプルなもので。
藤色、白色、灰色、どれでも合いますが、
今回は薄水色のものを選び、
帯に織り込まれたモール糸の色に合わせてました。
合間の短い季節感を、
着姿でそのまま味わえる単衣の魅力は、
きもの上級者ほど憧れるものです。
気候的には単衣を飛ばして、
夏衣へと一気に移行してしまいたい心地がする気候ではありますが、
単衣が持つ魅力を、
こうした季節だからこそ再認識してもらえたら、
何よりも嬉しい事です。
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330,000円(税込・反物価格)
231,000円(税込・反物価格)

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