きもの美濃幸でお承りする「丸洗い」の定義。
21日(土)まで、きものクリーニングキャンペーンを開催中です!
開始から三日間が経ちましたが、
お客様に足をお運び頂き、またご利用頂き、
本当にありがたい限りのこと。
まだまだ期間はありますので、
どなた様もご来店・ご利用下さいませ。
クリーニングキャンペーン開催の度に、
お越し下さるお客様と必ずと言っても良いほど、
会話に出てくることに、
「丸洗いって何ですか?」
「丸洗いってどんな仕事をするの?」
という事があります。
業界の我々からすると、当たり前のことかも知れませんが、
大切な着物を預けるお客様側からすれば、
どの様な事をしているのか、知りたいというのは本音のところ。
という事で、
「きもの美濃幸での『丸洗い』とは。」
という事を、記事にしてご紹介をしたいと思います。
「丸洗い」、「京洗い」、「生洗い」
などなど、
着物を洗う時の言葉は色々とありますが、
はっきりとした定義はそれぞれの加工先と小売店が持っているので、
具体的には各店でお聞き頂きたいのですが、
当店と、当店が丸洗いなど悉皆全般を委託している、
おおつき工芸との間での「丸洗いの定義」は、
「 着用の際に付いた汚れを落とし、
次回袖を通す時に困らない様に綺麗にする。 」
事です。
そのために掛かる仕事は、一部例外(余りにも酷いシミなど)を除き、
すべて料金の範囲内でさせて頂いています。
きもの美濃幸で「丸洗い」という加工をお承りした際は、
まず、
1、お預かりした着物の状態を一点ずつ検品。
をします。
「汚れの状態はどうなのか。」
「溶剤を使って丸洗いをしていいものなのか。」
「丸洗いに耐えうる状態なのか。」
といった事を、
きもの美濃幸でお預かりした際と、
おおつき工芸に着物を渡した際の、
2回チェックしています。
きもの美濃幸で承る際は、お客様と一緒に着物を前にして、
シミや汚れの確認、どこまで綺麗にするのかなどを、
相談しながら決めています。
そして、
2、溶剤を使ったドライクリーニング。
検品した際の着物の状態により、
一度に洗う量を最適なものにします。
ただ、着物ファンの方ならご存じのとおりドライクリーニングでは、
皮脂・ファンデーションなどの「油性の汚れ」は落ちるのですが、
汗や水のシミといった「水性の汚れ」を落とす事が出来ません。
なので、きもの美濃幸とおおつき工芸では、
ドライクリーニングの前と後、
3、すべて検品をし、汗等の水性汚れの部分を水洗いをする。
をしています。
ここはもしかしたら、「丸洗い」という定義を大きく分ける、
ひとつの指針となるのかも知れません。
そして最終段階、
4、シワ伸ばし~プレス加工~最終検品。
を経て、皆様の元へのお届けになります。
シワ伸ばし~プレス加工も、仕上げをふんわりとする為に、
それぞれのきものに合わせた加減をし、
最後まで抜かりなく、仕事をして頂いています。
再度書きますが、きもの美濃幸、おおつき工芸では、
「着用の際に付いた汚れを落とし、
次回袖を通す時に困らない様に綺麗にする。」
事を丸洗いの定義にしているので、
ドライクリーニングと汗部分の水洗いは、
必ずセットで行っています。
その分、お客様にご提示する価格は高くなってしまうのですが、
水性の汚れというものはとても厄介で、
その時は見えなくても、何年・何十年の時を経ると、その部分は黄変し、
黄変を直すにはその何倍もの費用が掛かり、
最悪の場合、直せなくなる事もあります。
「折角綺麗にしたのに、どうしてこうなるの。。。」
という、悲しい事が無い様に、
もちろん、人がする事なので100%という保証はないのですが、
大切なきものをお預かりした以上、
何十年先も、最後まで責任を持って出来る加工をする様、
当店でもおおつき工芸でも心掛けて仕事をしています。
以上の内容が、きもの美濃幸で行う、
「丸洗いの範囲&定義」になります。
私たちはもちろんですが、
それ以上におおつき工芸の大槻健一朗さんは、
本当に真面目な職人さんで、
「直接お逢いする事のないお客様から、
お預かりする着物だからこそ、絶対に間違いを起こしてはいけない。」
という固い信念を持って、
毎日、皆様のきものと向き合ってくれています。
「おおつき工芸に丸洗いを出すと着物が着やすくなる。」
というのは、お客様から多くお聞きする生のお声。
きもの美濃幸も、おおつき工芸も、精一杯の心を持って、
お客様と大切なきものをお預かり致しますので、
どうぞ、安心してご利用下さいませ。
最後に余談ですが、
きもの美濃幸以外のお店に丸洗いを出される時は、
以上の「丸洗い」の範囲を、事前に聞いておくと良いと思います。
もし、ドライクリーニングしかしない場合は、
着用された着物であれば、必ず水洗いをする事をお勧めします。
特に、単衣や暑い季節に着て、
沢山汗をかいた着物に関してはなおさらの事です。
きもの美濃幸の丸洗いなど、
悉皆関係のお仕事をして下さっているのは、
先述のとおり、「おおつき工芸」さま。
その悉皆仕事をして下さっている大槻健一郎さんは、
私と同い年ですが全く違う道を歩み、
でも、その根底にある「着物に対しての想い」は同じ、
大切なお取引先様であり、パートナです。
ぜひ一度、大槻さんの仕事をお試し下さい♪
皆様の大切な着物たちが、
末永く、世代を超えて愛されていきます様に。
※2015年9月 お手入れワークショップでの一枚。
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