この広巾こそ本物の証。 丸帯を身に纏う喜びを。
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今月一か月間、美濃幸好みの振袖たちをご紹介してまいりました。
限られた点数ではありましたが、
ひとつひとつに対する想いや、振袖自体に掛ける想いというものを、
少しでも皆さまにお伝えできればと思い書き記してきましたが、
いかがだったでしょうか。
振袖が持つ特別感、品格というものは、
他のきものとは違うものであり、
ただただ綺麗美しいだけで振袖を纏うのではなく、
そうした事をひとりでも多くの皆さまに知っていただけたら、
きっと振袖が持つ本当の価値というものを、
二十歳の成人式のひとときに体感していただけるのではと思っています。
今月最後の振袖紹介もその様な想いを込めて、
その振袖に合わせていただきたい、珍しい一品をご紹介いたします。

幕のように広い錦の織物たち。
豪華絢爛な織り上がりとなっておりますが、
これは、
「丸帯」
と言われる帯で、
その帯の格の中では格別、最も格式の高い帯とされています。
今は丸帯を生産されている機屋さんもほぼ壊滅状態で、
私たちの様な小売店に限らず、帯を専門とされている問屋さんの売り場でも、
まず見かける事のない珍しい一本となりました。

上の写真には比較として、通常の袋帯を置いてみました。
ご覧いただくとわかる様に、
帯巾は倍以上の広巾、そして全通で織り上げたものとなっています。

こちらの黒地の一本は、松菱と七宝つなぎを合わせた文様。

朱赤の一本は、吹寄せ柄を金彩で織り上げた一本となっています。

極細の金糸を丁寧に織り上げた仕上がりは美しく、
通常の袋帯にあるような金糸の捻じれもなく、
また贅沢に金糸を使って織り上げてあるので、
その輝き方には品格が宿っています。

どちらも、振袖を含めて第一礼装に合わせていただける一本となります。
こちらの丸帯は、
仕立てをする際にこれを二つ折りにして仕立て上げ、
それゆえ、帯裏部分も表生地と同じものになります。
この丸帯が簡素化されて出来上がったものが、
今も多く見かける「袋帯」であり、
その袋帯には「帯裏」という裏地(裏生地)を付けて仕立て上げますので、
裏地を使わず、表裏一体の生地で仕上げた丸帯の特別感というものを、
分かっていただける事と思います。
以前、著名な西陣織の機屋のご主人に丸帯の事をお聞きしたことがあります。
「どうして表裏同じ生地、広巾で織り上げる意味はなにか」
とお聞きしたところ、
その方は、
「贅を尽くすことによる、相手を想う気持ちではないでしょうか」
とお答えになりました。
表の織り上がりだけではなく、裏も同じ織り上がりを求め、
そこに織り上げられた吉祥文様たちは、
すべて、その帯を結ばれる方、そしてそのひとときが、
素晴らしいものとなる様にとの願いが込められている。
ただ単に贅沢にものを作るのではなく、
そのものに大切な人を思い遣る心を込めたいがためにこそ、
この丸帯というかけがえのない文化と風習が生まれたのではないかと、
その機屋のご主人は仰っていました。
重量感もあり、この帯を結ぶには熟練の技も必要となる事、
また時代を経る中で価値観が変容していき、
先述の通り、昨今はほぼ見かける事もない逸品となりましたが、
表も裏もなく贅沢に仕上げた丸帯の品格は、今の時代にあっても色褪せる事なく、
振袖や黒留袖、花嫁衣裳といった人生を彩る節目のとき、
その喜びの時を共にする大切な一本であって欲しいと、
着物とその文化を愛するひとりとして、切に願っています。
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