一本の帯と六変化の長着の組み合わせ。「岡本隆志型絵染九寸名古屋帯×美濃幸好み 染織六選」
先日のコラムでご紹介しました、一目惚れの型絵染の九寸名古屋帯、
早速、美濃幸好みの長着との組み合わせを、
染織問わず、色々と試してみました。
まずは「織物」からご紹介をして参ります♪
紅花染よねざわ新田 太子間道
ブログでも、「紬に合わせてみては~」と書きましたが、
やはり、間違いなく鉄板の組み合わせ。
今回は小格子の紬を合わせましたが、
無地紬なら、尚更帯の個性が際立ちます。
当店でいえば、「飯田紬の無地紬」などは、抜群の相性があります。
久米島紬 ツバメ絣
色・絣柄共に「民藝」の香りのする久米島紬のツバメ絣ですが、
同じく民藝に源流のある型絵染だからか、互いの個性を引き立てている様子。
古典的な色柄にも、すっとおさまります。
織司なかむら 風通御召
格調高い織物である「御召」にも個性を持っておさまる帯姿は、
なかなかのものだと感じます。
ましてや、織司なかむらさんの御召は、
そのしなやかな素材感と絹の上質な光沢感を持つ織物なので、
一層、互いの個性を引き立ててくれています。
上の久米島紬とは、同じ織物と言えども正反対にあるもので、
普通で考えれば同じ帯は合いにくいはず。
上手に帯が取り持ってくれています。
続いては「染物」。
ボカシ染分け小紋
モダンな配色の染め分け小紋にも、個性と共に乗っています。
好き嫌いは分かれると思いますが、相性としてはまずまずは雰囲気です。
乾山小花文 小紋
飛び柄の小紋とは、間違いのない組み合わせになりました。
小花模様との相性も抜群。
染×染の組み合わせですが、品よくまとまります。
江戸小紋 万筋
型染小紋の定番「江戸小紋」。
その三役のひとつ「万筋」と合わせると、
小粋な縞柄が一層際立つと共に、愛らしさも添えてくれます。
以上、
美濃幸好み六選との組み合わせでした。
帯〆帯揚の色合わせによって、また一味、個性が変わると思いますが、
総じて感じた事は、「力のある一品同志は相性が良い。」という事。
兎角、力のある一品は、片方が弱いものを合わせてしまうと、
個性を殺してしまい、共倒れする事が、まま見受けられます。
こうして合わせてみても、染織問わず、
きちんとした物作りがされているものとは、
自身の個性を主張しながら、
互いの個性を引き立てながら、
すんなりと合わさっていく印象があります。
そこに加わる、最も大切な「着手の個性」。
皆さまも自分らしい一品と共に、
ファッションの着物をお楽しみ下さいませ。
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