和をたしなむ

2024.07.06更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

愛する人を思いやる、七夕の夕べを彩る一本。

 

七月の模様替えが進む店内。

 

壁面ディスプレイの模様替えはこちら

→藍色を美しく感じる7月の店内へ。

 

 

 

サロンスペースに掛ける一本は、

今年見分けてきたこちらの八寸帯を選びました。

 

 

 

 

すくい織りで丁寧に、そして絵画的に織り上げられた、

まこと織物さんが手掛けた夏の八寸帯です。

 

 

題名は「梶の葉」。

 

七夕を題材にして織り上げた夏向きのすくい織り八寸帯で、

その詳しい解説は、5月に書いたコラムをご覧ください。

 

詳しい解説はこちら

七夕への切ない女ごころを込めた一本を。

 

詠み人知らずとして今に伝わった、

古今和歌集のなかに綴られた一首。

 

 

1000年以上前を生きた人も、現代を生きる我々も、

人を想う気持ちや愛する心というものは変わりなく、

この一本を織り上げる事になった題材の一首を詠めば、

自然と切ない気持ちが湧き出してくる事に、

不思議な心地がしたりもします。

 

 

 

 

こうした情緒的な題材を、

余すことなく一本の織帯として成せる機屋さんは、

数あるなかでもまこと織物さんならではの事。

 

 

微細で繊細、絵画的に織り上げていくすくい織りだからこそ、

想いの部分まで伝わる一本へと仕上がるのだと、

帯を前にして感じています。

 

 

 

 

明日は七夕。

 

 

名古屋は今週に引き続き季節外れの酷暑となりそうですが、

空模様は良好な様子です。

 

 

そして日曜日という事もあるので、

着物をお召しになり、想うところへお出かけになる方も、

きっと沢山おられる事と思います。

 

 

着物にまつわる文様や柄は、

この帯の様にひとつひとつに意味合いがあり、

それを着ていく場のTPOや先様への想いを込めて合わせる事に、

和装ならではのドレスコードを楽しむ心が在ります。

 

 

 

想いを込めて着る事で、相手を思いやること。

 

 

そんな愛する人を思いやる、素敵な一日となります様に。

 

 

 

久方の あまのかわらの わたしも里

君わたりなは かちかくしてよ

 

(天の河原の渡し守、あの方が渡ってしまわれたなら舟のかじを隠してしまってください。)

 

古今和歌集 巻第四 秋歌上

 

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