七夕への切ない女ごころを込めた一本を。「夏八寸・まこと織物・すくい織り・七夕梶の葉」
今日は叙述的であり、風情を感じさせてくれる、
夏の織帯をご紹介します。
夏八寸帯(夏名古屋帯)「まこと織物・すくい織り・七夕梶の葉」
当店でこつこつとご提案をさせて頂いており、
またお客様からもご好評をいただいております、
すくい織りの名店「まこと織物」さんが手掛けた夏の八寸帯(名古屋帯)です。
― 久方の あまのかはらのわたしも里 君わたりなば かじかくしてよ ―
古今和歌集 よみびとしらず
すくい織り一筋60年、
一心に機に向かい、織帯をつくり続けておられる、
まこと織物さんだからこそ表現できる一本。
先に書かせていただいた古今和歌集の一歌を題材に、
帯に仕上げていただきました。
詠み人知らずと、
約1000年前の誰がうたったものかは分かりませんが、
七夕への女性らしい恋心や想いが込められております。
お太鼓の柄は、
五色の和紙と糸に包まれた梶の葉。
梶の葉は当時の七夕の際に、
短冊の役割を果たしたもので、
五色は魔除け厄除けを表しています。
まこと織物さんのすくい織りは「絵画」の様な表現の神髄があります。
織物とは思えないほど、緻密な曲線の表現であったり、
巧みに色を変えながらグラデーションや奥行きを表現することは、
まこと織物さんが培ってきた技術の賜物。
図案を作成し、それを機織り機の経糸の下に配し、
柄のひとつひとつ、色の一色一色を「すくう」様に織り上げる事から、
「すくい織り」の名が付いたといわれています。
夏帯らしいお太鼓部分のよろけ織も、
まこと織物さんらしい夏帯の表現の仕方です。
前腹部分はこの様な雰囲気に。
「梶の葉」と「船の舵(櫂)」
「梶(かじ)」と「舵(かじ)」が掛かっています。
一年に一度、一日だけ、天の川を渡って逢いに来てくれる彦星。
明日には帰ってしまう事を織姫は嘆き、
天の川の舟守に「帰れない様に舵(櫂)を隠してくれないか」という、
切ない想いを込めた柄になっています。
日本文化らしい、切なさと情愛を感じさせてくれる、
ストーリーを持った一本。
その世界観を創り上げる、
まこと織物さん手仕事の美しさを、
夏帯と共にお楽しみ頂けたら嬉しいです。
夏帯として七夕の時期はもちろんの事、
抽象的な物語が込められた一本なので、
単衣~夏衣の季節にひろく結んでいただけたらと思います。
季節を感じさせてくれる一本と共に、
素敵なきものとのひとときが訪れます様に。
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夏八寸帯(夏名古屋帯)「まこと織物・すくい織り・七夕梶の葉」
286,000円(税込・反物価格)
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