和をたしなむ

2025.04.03更新 - 徒然なるままに

卯月の京都雑感。「まこと織物さんの工房見学をさせて頂きました」

 

新年度がスタート!!

 

 

年度末は何かとバタバタするので、

心新たにという心境にはなりにくいですが、

それでもまわりに咲く桜の様子を見ては、

心浮き立つ心地がするというのも、

実に日本人らしく、またそうした力が桜にはある様に感じます。

 

 

 

4月朔日は、京都に出向き問屋さん巡りに。

 

 

蔵出し市期間中に頂いているお仕事をこなし、

新たな出会いを探しながらの道中でしたが、

昨年と同様、春休みの子どもたちと連れ立っての道中となりました。

 

 

 

問屋さん各社、当店の様子をよくよくご存知の皆さまなので、

子どもたちもおむつの頃からお世話になっている方ばかり。

 

 

久しぶりにお会いする方とは、

「大きくなったねー!!」との言葉をどこでも掛けてもらい、

 

先月もお会いしたばかりの方とは、

まるで親兄弟の様に接していただけて、

何かにつけて有難い限りだなと思っております。

 

 

 

 

そして、

 

私の本業と社会見学を兼ねて、

夏帯の別注をお願いしている「まこと織物」さんの工場の様子を、

見学させていただきました。

 

 

 

 

まこと織物さんの個展を、

当店で開催させていただいたのが、8年前。

 

 

同行した息子は当時保育園児だったので、

まこと織物の担当者さんとは久しぶりの対面!

 

息子は覚えている訳もないですが、

担当者さんはよく記憶して下さっており、

懐かしい話から工房見学がスタートしました。

 

 

 

 

事務所に隣接する工房。

 

 

西陣の機屋では見慣れた紋紙が置いてあったり、

整経された糸が置いてあったり、

かすかに香るオイルの匂いや、機織りの音は、

何とも心地が良いもので、

そこには長年ものづくりに一心に取り組まれてきた、

職人さんたちの想いが在るように感じます。

 

 

 

 

初めて見る、すくい織りの現場。

 

 

今まで店で実演する機織りは見たことがある子どもたちですが、

こうして製品を織り上げる本当の現場を感じるのは初めてで、

その緊張感をそのままに感じている様に見えました。

 

 

 

 

現在、

まこと織物さんのこの工房ですくい織りをされている職人さんは、

お二人だけ。

 

 

すくい織りは「横糸で絵を描く」ように、

図案があっても職人さんの感性に寄るところが大きく、

「図案2割・職人8割」とまで言われる技が必要とされるので、

現代における困窮したものづくりの現場においても、

なお一層のご苦労があるとの事でした。

 

 

 

 

機械が織り上げるものをただ横で見ているだけにはいかず、

色選びから織り糸の具合まで、

お一人の職人さんによって織り上がるすくい織りの帯たち。

 

だからこそ魅力あるものに織り上がる訳ですが、

だからこその苦労がある事を、まざまざと知ることが出来ました。

 

 

 

 

絵を描く事が大好きな娘は、

食い入るように織っている様子を見ていました。

 

 

絵を描くだけでなく、観る事も大好きであり、

毎日色々な絵を描いている彼女にとって、

機織りに向かう職人さんの様子から、

何かを感じている様。

 

 

 

 

「もう失礼するよ」

 

と声をかけるまで、

ずっと見入っていました。

 

 

 

工房見学を終えて、

別注をお願いしていた夏帯の織り上がった様子も拝見し、

すべて大満足だった、まこと織物さんでの時間。

 

 

貴重なお時間を、誠にありがとうございました。

 

 

 

厳しいものづくりの現場を見るたびに、

私たちがしなければならない事を再認識しますし、

こうした一心な職人さんやメーカーさんあってこその、

自分たちの仕事がある事を自覚させられます。

 

 

夏に向けて、この様な心ある一品を揃えて、

美濃幸好みの夏着物たちを皆さまにご覧いただけたら幸いです。

 

 

そんな決意新たにする、卯月の京都雑感でした。

 

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