和をたしなむ

2024.05.21更新 - 徒然なるままに

時代を経ても変わらぬ流行を、今の時代にマッチングさせるコートの魅力。

 

過日、コートのご相談をお承りしました。

 

 

気心が知れ、お好みも重々承知をしているお客様という事もあり、

生地感やご寸法、主にお召しになる場所などを考えながら、

雑誌などに載っている実際の写真を見ながら相談を進めていきます。

 

 

その際に使う雑誌がこちら。

 

 

 

 

かなり年季が入った、二冊の雑誌。

 

 

今も和装雑誌の定番「美しいキモノ」と、

和装コートを特集した雑誌になります。

 

 

美しいキモノは、昭和52年刊行のもの!

 

 

 

 

コート専門誌においては、昭和41年刊行!!

 

私も生まれる前に発行された一冊となります。

 

 

 

以前、他のお客様からも同様のコートのご相談を承り、

この雑誌をもとにお話しを進めていったのですが、

 

そのお客様、

当時40歳前半&海外ブランドファッションアパレルにお勤めという、

公私ともに流行の尖端を見ながら生活をされている方で、

 

「私、この雑誌の中からコートのかたちを選ぶの?」

 

とお互い半笑いでお話しを進めていったことを思い出します。

(そのお客様とは今も続くご縁となっています!)

 

 

その反応は確かにその通りで、

 

当店の様に日常の延長線上、

お洒落をするために着物を選択される方にとってみれば、

60年近く前のサンプルを基に、今自分が着るものを選ぶのであれば、

多少の不安を抱かずにはいられないのですが、

 

実際に雑誌のなかをご覧いただくと、

今の上物(コート類)よりもバリエーションが多く、

前衛的であり、お洒落なものを多く見かける事が出来ます。

 

 

 

 

「羽尺」という、コート専用に生地を染め、織り上げ、

柄の出方もコートだからこそのお洒落が楽しめるものが多く、

 

 

 

 

今、この様な生地を探してと言われても、

誂えで作る以外に方法はないように思います。

 

 

シンプルにお洒落。

 

上物をただの防寒着や塵除けとして着るのではなく、

長着とのアンサンブルを考えたお洒落のアイテムとして、

楽しんでいた当時の様子がうかがい知れます。

 

 

さすがにヘアメイクには時代を感じさせますが(笑)

 

 

 

衿の形もバリエーション豊富。

 

 

 

 

比翼衿の付け方や、紐のセレクションも、

今、仕立て屋さんにお願いしても出来ないものも、

相当あるように感じています。

 

 

 

衿の形や、着丈など、

今の時代に合う様なご提案を頭に入れながら、

どこかでこの時代には合った「着物を着るお洒落の楽しみ」というものを、

きもの美濃幸のフィルターを通してご提案していきたいと、

古めかしい雑誌片手に知恵を振り絞る日々。

 

 

悩ましくも楽しく、

きもの専門店としての力を付けさせていただける機会を、

お客様からいただきながら、

精一杯取り組んでいきたいと思います。

 

 

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