歴史を感じ、見つめ、着る事を感じる一反。
江戸染の名店「竺仙」さんとのお付き合いも、
祖父の代から続けさせて頂いています。
美濃幸が創業80年を超え、竺仙さんはそれ以上。
いつからかは定かではありませんが、代々お世話になっている事は間違いなく、
今でもお世話になっている竺仙さんの営業担当の方も、
祖父の代から変わらず、三代にわたってお世話になっています。
先日、夏マスク用の残布を探している時に、こんな一反を見つけました。
竺仙さんの綿縮の長板中形の一反です。
ず~っと眠っていたので、
本藍染の色はそのまま生きていましたが、所々、黄変をしてしまっており、
そのままではお客さまにお譲りは出来ず、
何とか洗い張りを試みましたが、それも難しい事が判明。
蔵入りの一反とする事にしました。
ただ、そこに染め付けた柄は素晴らしく、
今のものよりも微細で繊細な柄付けが施されています。
見ているだけで勉強になり、着物屋として感じる事の多い、
素晴らしい仕事がされてあります。
反端に染め抜いた、竺仙さんの証紙染も今のものとは違い、
恐らく、祖父の代に仕入れをし、何かしらの理由で仕舞ってあったもの。
祖母が自分用にしようと隠しておいたのか、
お客さまのお取り置きが見立て替えになり、そのまま仕舞ってあったのか、
理由は定かではありませんが、
祖父の想い、竺仙さんの想いを感じる一反に触れると、
何か熱いものが込み上げて来ます。
伝統技術や伝統文化は動き続けない限り、
衰退の一途を辿ります。
こうした染の技術も同じくで、
一度、仕事を止めてしまうと、次が二度とありえないという事が、
この業界では多々あり、実際にその様な声をそこかしこで耳にします。
新型コロナ禍により、着物や浴衣を着る機会が減りましたが、
着ようとする気持ちが、ものつくりの現場に力を与える事も、
間違いのない事だと、確信しています。
そんな竺仙さんの今年のキーワード、
皆さまも、家の内外限らず、着物を着る楽しさを感じる、
素敵なひとときをお過ごし下さい。
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