清涼感と気品を感じさせてくれる、藍染と絣織の魅力。
桜が過ぎ、
爽やかで心地良い空気感が流れる頃になると、
藍色が一色深く見えるように思います。
藍色は「ジャパンブルー」と言われるほど、
日本の風土や文化に寄り添い、日本人が培ってきた色のひとつであり、
絹はもとより、江戸時代からは木綿との相性の良さから、
庶民の中で育て上げられてきた染織技法。
民藝に通ずるその色は、
四季折々に魅せる色が変わっていきますが、
今の時期に見る藍色は、
その深淵な藍色の気品と初夏の青空を思わせる様な清涼感を
光の当たり方ひとつで共に感じさせてくれるので、
見ているだけで季節を感じ、心地好さを感じさせてくれる色の様に思います。
その様な頃、
サロンスペースの入口に掛けた一品は、
小熊素子さんが織り上げた藍染の九寸帯。
写真の左側は店奥になるので光が当たらず、
その部分はこっくりと深い藍色の魅力を感じさせてくれ、
また写真の右側は外から射し込む初夏の陽射しを受けたので、
そのところは淡く軽やかな藍色の魅力を感じさせてくれる、
この帯の魅力、そして藍色の魅力を存分に楽しませてくれています。
素朴な絣織の柄は藍染と相まり、
何気ない安心感を感じさせてくれている様子は、
ゆっくりと落ち着いてくつろいでいただく、
サロンスペースに掛ける一品として、
最良の一本だと感じております。
現在は東京で染織活動をされている小熊素子さん。
私も数年前に工房見学をさせていただいたのですが、
草木染も機織りも、全部ご自身ひとりでなさっており、
染める草木は工房の前にある庭で栽培された薔薇などを使い、
ひとつひとつの工程を丁寧に、そしてご自身が納得できるかたちで、
行われている様子を拝見してきました。
その時の様子はこちら
その小熊素子さんは草木染と手織りを始められた頃、
郡上紬の人間国宝である宗廣力三氏に師事されており、
そのルーツと小熊さんの魅力を一番引き立ててくれる染織は、
藍染と絣織にあるように、この帯を見ていると感じています。
どこか素朴であり、でも洗練された美しさが宿っている。
藍染と絣織の魅力をそのままにお楽しみいただき、
使い込むほどに藍色が枯れていき、また生地感もこなれていき、
手に取り、身に付けた方にしかわからない経年変化の様子も、
この帯の魅力となっていくことでしょう。
今の季節をお楽しみいただける美濃幸好みの一本。
着物を日常の近くに感じ、そうした日々の積み重ねを大切にされている方にこそ、
お楽しみいただけたらと思っております。
ぜひ楽しみにご覧くださいませ。
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