無地を超えた無地紬の魅力をお楽しみください「久米島紬・無地紬・ゆうな染」
久米島紬の無地紬、
ゆうな(オオハマボウ)で染め上げた一反が入荷しました。
沖縄諸島にある久米島。
古くから文化の交流点であり、
大陸から海を渡り絹糸の生産や織物が伝承してきた地域にあって、
約600年前から脈々と織り続けている織物が、
この「久米島紬」。
平成16年には国の重要文化財に指定された、
沖縄に限らず日本を代表する伝統工芸のひとつです。
久米島紬は定義があり、
1「紬糸もしくは引き糸を使用」
2「天然染料を使用」
3「絣は手括り」
4「手織り」
という4要件を満たした織物のみが久米島紬として世の出されます。
昨今、全国各地にあった織物の産地や、
そこでなりわいをなされている職人さんが減少している結果、
ひと昔前にはたくさん市場に出回っていた、
「手織り・草木染の上質で手頃感ある紬」
というものがみるみるうちになくなりました。
「手織り」「草木染」「手頃感」のいずれかひとつ、
もしくはふたつを外せば、
まだまだ見かける事も可能ですが、
着物好きな皆さまがちょっと背伸びををして、
でも日常の延長線上で気軽に楽しみたいと思える紬生地を探すのは本当に困難で、
私も日々苦心をしながら、問屋さんの売り場を見回っていたりします。
その様な状況のなか今回出逢ったのが、
この久米島紬の無地紬。
以前から目を付けていたのですが、
今回心に留まる一色で織り上げたものに出会い、
こうしてご紹介する運びとなりました。
こちらはゆうな(オオハマボウ)を原料した染料を使い織り上げました。
ご覧の通り絣柄のない無地紬ですが、
上記の要件から生まれる織りの一段一段の表情は実に豊かであり、
それが一反として仕上がった際の、
「無地だが無地ではない」
味わいになっています。
絣柄、縞柄格子柄にはない、
この一反にはそうした柄表現を超えた、
「手織りとしての表情」
が確かに織り込まれています。
節糸を使う紬糸を、
化学染料とは違う揺らぎのある草木染で染め上げ、
糸染を何度も繰り返すことで糸一本ごとに表情が生まれ、
その糸を使い、一段一段手織りをすることで、
一本の糸の表情が一枚の布の表情として変化をしていきます。
灰色に織り上がった一反ではありますが、
その色が持つ冷たさの様なものは一切なく、
どこか暖色系の様な温かみを感じるのも、
琉球染織ならではの特徴。
そして久米島紬ならではの最終仕上げ工程である「砧打ち」がなされており、
柔らかくしなやかな絹織物の風合いが活かさ、
またそれが布の表情を仕上げる大切な工程となり、
こうした素晴らしい一反へと仕上がっていきます。
反物巾は1尺3分(約39センチ)ありますので、
ご寸法によっては性別を問わずお楽しみいただける一着に。
紬糸を使い、ゆうなで糸染めをし、
その糸を一段一段丁寧に織り上げ、最後砧打ちをして仕上げる久米島紬。
そうしたひとつひとつの工程を経るなかで、
作り手の想いや久米島の空気感がともに織り込まれていき、
こうした思わず笑みを浮かべる一反に織り上がっているように私は思っています。
無地紬の魅力、琉球染織の魅力を、
この久米島紬から感じ、お楽しみいただく事が叶えば、
何よりも嬉しい事です。
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308,000円(税込・反物価格)
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