男のきものを嗜む。「きちんと履きこなすという事。」
毎年、季節ごとに、「自分だけのお気に入り」があり、
それは足袋だったり、帯だったり、長着だったりと、羽織紐だったりと、
その時々や気分によって多種多様なのですが、
今年の冬のお気に入りは、この「桜皮表の下駄」。
元々付いていた木綿の鼻緒から、別珍の鼻緒を挿げ替えてもらい、
一層、お気に入りの一足になりました。
桜表の下駄に別珍の足袋、ずり出し紬の長着と結城紬の袖なし羽織。
見た目にも、体感的にも、真冬の寒さの中を本当に暖かに過ごせる、
機能的なコーディネートがお気に入りです。
このコーディネートでどこでも行く私。
普段店にいる時はもちろんですが、息子の保育園の送り迎えの自転車も、
名駅にちょっとお買い物に行く時も、このコーディネートが好き。
そして、この下駄が何よりお気に入りです。
と、思い返してみると、
この下駄を履きはじめたのは、2か月前。
いつもなら、かかとゴムを替えたりして、
少しでも長く履けるように機能面の強化をしていたのですが、
今回はそうした事を全くせずとも、何ともなく履きこなせています。
かかとゴムも比較的綺麗な状態のまま。
若干、石がめり込んでいますが、
気づいた時に取っていたので、さほど酷くなっていません。
5年ほど前は、「こんな使いにくい底ゴムを付けて!」と、
下駄を前に、あるいは問屋さんを前に、文句を言っていたのですが、
下駄を履きこなせる様になれば、そうした事もせずに、
何なく履ける事に今にして気づかされました。
この2か月間、注意したのは、
1、つま先をぶつけない。
2、かかとを擦って歩かない。
3、きちんと足を上げて歩く。
の3点のみ。
要は、「きちんと歩く。」事を意識すれば、
どんな履物も上手に履きこなせるという事です。
今の便利な世の中、道具に頼ってばかりでは駄目だという事を、
一足の下駄から教えて貰った様に感じます。
余談ですが、
先日七五三を迎えた我が家。
息子への記念の一足と想い、
畳表に白別珍を挿げた本格的な雪駄(お値段も大人並!)を、
息子の為に誂えたのですが、
上記の事を注意点として教え、
あとは息子の自由にして何日間か履かせていたのですが、
ご覧の通り、ほぼ無傷の状態。
ただの5歳の子も、きちんと教えてから履かせれば、
綺麗に履きこなす事が出来るという事でした(汗)
「きちんとする。」
という言葉は、便利な言葉ですが実に奥の深いもの。
そんな事が当たり前に出来るきもの屋で、在りたいと思います。
- 2024.12.01 2024年12月の定休日・和のコト教室(着付・茶道)開催日のご案内。
- 2024.11.28 12月1日(日)~15日(日) 最大30%OFF! 歳末セールを開催します!!
- 2024.11.01 2024年11月の定休日・和のコト教室(着付・茶道)開催日のご案内。※11月18日更新