男のきものを嗜む。「タイムマシンの様な楽しみ方を。」
過日の着姿はこちら。
毎度おなじみ、
単衣の塩沢御召に袖を通しました。
朝晩は冷え込む事もありますが、
日中は常に、初夏の厚さを感じさせる一日。
単衣が最良の季節であります。
ご来店のお客さまともお話をしましたが、
気候的には十分単衣の頃ですので、
皆さまも無理なされずに、
自身の気持ちと体調にあった一着をお選びくださいませ!
さて、
今日のコーディネートのポイントは「角帯」。
この一本、今日が約10年ぶりの出番となりました。
黒地に水玉模様の一本。
細かな水玉模様は織で表現したもので、
凝った仕上げの一本です。
私の様に、毎日着物を着る人にとって、
この様な面白味のある帯は出番が多い様にも思いますが、
この帯、織りの目が詰まっている事もあり、
綴れ帯の様な結びにくさがある一本。
購入以来、なかなか手に馴染まず、
自然と遠ざかっていた一本でした。
でもその日はなぜか、
この帯が結んでみたくなり、
実際に結んでみると、とても新鮮!
それは10年振りなのですから、
当たり前といえばそうなのですが、
最近の私が結ぶ雰囲気にはなかったものなので、
新しい帯を手に入れたかの様な嬉しさが、
結びながらこみ上げてきました。
きものは洋服と違い、形や縫製に流行はなく、
また、色柄の流行もそれらと比べてスパンが長いので、
10年前の感覚ではイマイチだったものも、
時が経ち、嗜好が変わり、好みが変われば、
最高の一着になる事も、結構な確率であります。
今日着ていた塩沢御召も同様、
久しぶりに袖を通してみるやいなや、
今や私には欠かせない一着となっています。
皆さまの箪笥の中にも、
そんな手が遠ざかっている一着は、
ありませんか??
そんな一着も、私と同じ様に、
いずれかには欠かせない一着になる、
そんな未来が待っているかもしれません。
手放すだけでなく、寝かすことも、
タイムマシンの様な楽しみ方が出来ますので、
ぜひ皆さまもお試しくださいませ。
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