男のきものを嗜む。「七五三に付き添う、父親の想いを込めて」
過日無事に終えました娘の七五三。
その様子はこちら
→家族全員が自分らしい一着と共にハレのひとときを迎えられること。
ご覧の通り、家族全員和装でその時を迎えたのですが、
当日の私のコーディネートをご紹介いたします。
深みのある濃紺色の無地紬に梨地の御召羽織を羽織り、
角帯は生成り色の荒磯模様を織り上げたものを合わせて、
羽織紐もその色目に合わせた亀甲組のものを付けました。
先日まで「美濃幸好みのちょっとしたフォーマル着物」と題し、
私が想う今の時代に合うスマートなフォーマルスタイルをご紹介してきましたが、
その際に男の着物としては、
「無地紬が重宝します。」と書いてきました。
具体的なご紹介などは、
過去のコラムのリンクを貼っておきますので、
併せてご覧ください。
導入
ご提案
お客様の着姿や場面をご紹介
紬と御召。
節感がありマットな質感の紬生地と、
しなやかで艶感のある御召生地との相性は、
はたしていかがなものかとお考えの方も居られるかも知れませんが、
こちらの御召生地自体が梨地でどちらかというとマットな質感がある織り上がりで、
紬との相性はとても良いと実感しています。
色目も濃紺の紬と墨黒に近い御召とは取り合わせも良く、
初めて合わせましたが、
今後も帯や羽織紐を変えながら楽しみたい組み合わせとなりました。
帯の地模様は荒磯緞子。
荒波に揉まれる鯉の様子を織り上げたものですが、
鯉は成長し龍門へと至り、天に昇って竜となると言われており、
立身出世や繁栄を表す縁起柄のひとつです。
羽織紐の亀甲組は、
その名の通り「亀」を表しており、
日本人には馴染みのある縁起物。
幾千歳の繁栄発展の願いが込められています。
父親の着物姿など、
娘に寄り添う母親のそれとは比べものにもならず、
私的には隅で目立たずに、
でもしっかりと陰から見守る様な色の取り合わせを心掛けました。
長着と羽織はシックな色目でまとめ、
これに濃色の帯や羽織紐を合わせてしまうと、
黒服の様な存在感になってしまうので、
半衿~羽織紐~角帯の色目は反対色を意識し、
色に統一感を持たせました。
そんな父親なりの想いを込めた着物姿。
ハレのひとときは人それぞれ。
それに向かう想いも人それぞれです。
その時を迎える皆さまにとって、
そのひとつひとつが自分らしく装う素敵なものとなります様に。
私はこの着姿をもって、
時代の荒波に揉まれながら立派に成長を果たし、
その姿を幾千年も見守る事を心に込めて過ごす事を、
娘の晴れ姿を見て誓うものにしたいと思います。
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