和をたしなむ

2024.09.14更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「初秋の浴衣と麦わら帽子」

 

「注染浴衣に麦わら帽子って、いつまで夏の気分なの?!」

 

と、

 

ご覧の皆さまからお叱りを受けてしまいそうですが、

今日は一刻お店を抜けて商店街の広報活動をしてきたので、

この『大門』と名が入った商店街のオリジナル浴衣を着て

その役割を果たしてまいりました!

 

 

 

 

袖を通しているコーマ地染めの一着は、

竺仙さんにお願いをして商店街オリジナルで制作したもの。

 

 

当時ご縁のあったデザイナーさんにお願いをして、

竺仙さんに型をおこしていただき、

大胆な構図で「大門」という文字を染め上げた一着になります。

 

 

 

 

これが結構見栄えがする一着で、

私のお気に入りの浴衣。

 

 

丈が少し短いのですが、

浴衣としてはさほど気にするものでもなく、

また冬になると長襦袢として着る様になるので、

なお一層重宝に使える一着となっています。

 

 

 

 

小一時間、広報活動をして帰店後、

いつもの店着に変えようと思い部屋に戻ったのですが、

あまりにも暑い今日の午後。

 

 

汗になった事もあり、また気候的にはこれが丁度よく、

着心地もとても良いのも相まり、

その後もそのまま接客をさせて頂いておりました。

 

 

 

そうなるとご来店の皆さまも気になる事間違いなし。

 

 

「きもの屋の店主が今頃まで浴衣を着ているとは何故!?」

 

と思われているお気持ちと、

 

「若だんなの事だから何か理由があるんでしょ?!」

 

というお察し下さるお気持ちが混ざった複雑なお顔をされるので、

かくかくしかじかと皆さまに事情を説明しながら、

結局最後には、

 

「浴衣が気持ちよさそうで良いわ♪」

 

と、笑顔で不思議なお褒めの言葉を頂く次第(笑)

 

 

 

皆さま、今は秋という事は重々ご承知なのですが、

今日の様な気温を体感してしまうと、

律儀にきもの暦を守る事がどうなのか、

疑問に思われる事も自然な流れの様に思います。

 

 

 

「暑さ寒さも彼岸まで」

 

というものが過去の事のように感じる昨今の気候では、

袖を通す着物の種類も少しずつ変わっていく事になるのが当たり前の事。

 

何度も何度も申しておりますが、

結婚式やセレモニーなど、相手のために袖を通す着物は別と考えて、

(結婚式があればスーツも季節に合わせるのと同様)

カジュアルで自分自身のお洒落のために袖を通す着物に関しては、

TPOや気候、ご自身のお気持ちと相談をして、

最良の一着を選んで欲しいと思います。

 

 

 

とはいえ、

きもの専門店店主という本職の私は、

これにて浴衣は(多分)終了。

 

今日の様なイベントごとの時の衣裳として、

「大門浴衣」を着る事はあるかも知れませんが、

秋冬に着たい着物たちをそろそろ箪笥から出してあげようと思います。

 

 

 

 

四季折々の色柄を身に付け、

その日その日に心地好い素材を身に付ける、

和装の楽しみ方。

 

 

皆さまの体調やお気持ちに合わせて、

自分らしい一着と共に素敵なひとときをお過ごしくださいませ。

 

 

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