男のきものを嗜む。「息子の卒業式に向かう無地紬と無地袴の着姿。」
過日、息子が6年間お世話になった小学校を卒業しました。
商売柄、家族全員和装での出席となりましたので、
一人一人の装いをご紹介したいと思います。
息子〜妻の紹介に続いて、最後は私。
息子の着姿はこちら
妻の着姿はこちら
→節目をともに迎える母親の着物姿を。「卒業式母親きものコーディネイト」
昨年から度々、
「無地紬の有用性」
を書き記してきました。
今までの和装のドレスコードで言えば、
礼装には向きにくかった紬生地ではありますが、
周りを見回しても洋装がほとんどであり、
また和装自体も洋装化が進んでいる昨今においては、
今回の私の様な卒業式であっても、
無地紬がバランスの取れた礼装感を表す選択肢の様に感じています。
本来であれば、御召生地や色無地が最適なのかもしれませんが、
先に書いた様な最近のドレスコードに置き換えてみると、
それは洋装で言うシルクスーツの様な感覚を覚えます。
あくまでも主役は別にある式典ですので、
終局、何を着ても良いといえばその通りなのですが、
衣食住の筆頭「衣服」を自分なりに整えることは大切なことですし、
昭和の私にとってそれは自然な発想の様に思える、
古い人間なのかもしれません。
さて、
そんな無地紬を活かすようなコーディネート。
この様なスタイルで向かいました。
濃紺の無地紬アンサンブルに、
一色薄めの紺鼠色の無地袴を合わせました。
羽織は梨地の御召生地のものをとも思いましたが、
このアンサンブルスタイルの方がしっくりと来たので、
こちらと相成りました。
帯は子どもたちの門出を祝した荒磯模様のものを。
それに色が似合う亀甲組の羽織紐を付けました。
荒磯模様も亀甲組も、
どちらも縁起の良い、古くからある文様たち。
こうした文様に想いを込める事も、
和装らしい楽しみ方のひとつかもしれません。
厳かな気持ちを表す装いと、自分らしさを表す装い。
色々と書き記しましたが、
結局のところ「自分らしさ」が大切であり、
人生の節目、家族の門出の時に和装を選ばれる皆さまにとって、
そのお選びになった着物や帯、コーディネートが、
大切な人とともに過ごすに相応しいものであれば、
きもの屋として何よりも嬉しい事です。
息子の6年間の集大成、卒業式のコーディネートとしては、
私なりに自分らしいスタイルになったと感じています。
そんな私、
壇上からパパ友が向けたカメラを意識して、
ちゃっかりとカメラ目線を送っていました(笑)
お次は入学式。
息子は事情あってスーツで確定していますが、
妻と私は和装で向かう予定です。
また機会ありましたらご紹介をさせてくださいませ。
節目のひととき、門出の瞬間が、
皆さまにとってかけがえのない素敵なものとなります様に。
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