和をたしなむ

2018.04.12更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「白大島と組紐角帯の心地よさ。」

 

春袷の季節になると、決まって袖を通したくなる長着。

 

それは「白大島」です。

 

四月に入ってからは、

何年も着続けてきた愛用の長着と帯をコーディネートして、

過ごす日が増えてきました。

 

 

亀甲柄の白大島と、ボルドーの組紐角帯をコーディネート。

 

春から初夏に向けて、春袷の時期に、

色柄も素材感も向いている、お好みの組み合わせです。

 

 

この白大島との付き合いも、もうすぐ20年ちかくに。

確か26歳頃に出会い、アンサンブルで誂えたのが始まりでした。

 

その時も呉服店で会社勤めをしていたのですが、

とてもお世話になっていた先輩が着ていた白大島を見て憧れ、

当時にしては清水の舞台からの思いで誂えたもの。

 

今にして思うと、あの時これを誂えていなかったら、

今まで白大島と出会い、自分のものにはなっていなかったのではと、

一期一会の出会いを感じています。

 

 

軽く、滑らかな質感は大島紬ならではのもの。

それに加えて「白」が放つ涼感と雰囲気は独特のもので、

以前は暦が春になった立春頃から着ていましたが、

最近はその頃よりも今時分、桜が散り始めた頃からが、

この白大島の醍醐味を味わえる季節なのではと感じています。

 

 

そして、コーディネートをしました「組紐角帯」。

 

アップで見るとこの様な雰囲気の帯です。

 

 

こちらの帯は、二本の組紐を縫い合わせて、

一本の帯に仕立てたものです。

 

 

組紐は、その名の通り「紐を組んで布状にしたもの」で、

緯糸は使わず、経糸を規則的に組み合わせながら、

紐、もしくは布状にしていきます。

 

「組む」「編む」「織る」は、古来から伝わる布状組織の代表で、

組紐の関して言えば、日本では飛鳥時代頃からあり、

朝廷の衣裳のベルト(帯)としても活用がされてきました。

 

 

組紐角帯のメリットは、

緯糸が無い分、バイアス方向への伸縮性があり、

帯として結んでいると体の局面に密着するので、

腹~腰に沿う気持ちよさがあります。

 

緯糸と経糸をきっちりと張った硬めの織帯の場合、

帯の耳が腰骨などに当たると、少し違和感を感じる事もありますが、

組帯の場合は、そうした事もなく、柔らかな結び心地が気持ちよく感じます。

 

 

反面、そのメリットはデメリットにも繋がり、

博多織の様な腰の強さはそこにはないので、

シャキッと結びたい方にとっては少し物足りないものになったり、

ウエストがある方にとっては、お腹周りを支える事が難しい帯となります。

 

 

私的には、さき織り帯ほど軽くて柔らかくないので、

 

少し疲れが溜まった週末に、お腹周りを楽にして、でもきちんと感を出したい帯。

 

というカテゴリにある帯。

 

その時の気分や、体調に合わせて、一番心地よい長着や帯を選ぶ事が、

着物を日常的に着続けるコツかなと、自分なりに想いながら過ごしています。

 

 

何より、大好きな着物や帯に出会い、

それと共に素敵な時間が在る事が大切な事であり、

一層着物の生活が身近になるきっかけ。

 

皆さまにとっても、

着物がその様な自由で楽しい選択肢となります様に。

 

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