和をたしなむ

2026.07.03更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「良きご縁を繋ぐ、紋紗羽織の袖口の一柄」

 

昨日、月初めの京都問屋さん巡りの際の

私の着姿をご紹介いたします。

 

昨日の様子はこちら

文月の京都雑感

 

 

 

7月に入り、いよいよ夏本番。

 

 

この季節になると重宝に着こなしている、

墨黒色に縞が織り込まれた小千谷の夏紬に、

黒の紋紗羽織を着て過ごす一日となりました。

 

 

昨日の京都は例年よりも涼しく、

終日羽織を着ていても問題ないくらいの気候。

 

7月も入ったばかりなので、例年こうあって欲しいものですが、

贅沢は言わず、今日のこの気候に感謝をしたいと思いながら、

京都の問屋さん巡りをしておりました。

 

 

 

帯は涼し気な色目、

青色に網目模様が織り込まれたものを選びました。

 

 

 

 

これも重宝な一本で、

季節を問わず、また長着の素材も問わず、

思うままに使いこなしているベテラン選手の一本です。

 

 

 

黒の紋紗羽織も重ねて重宝な一着。

 

これを羽織るだけでぐっとフォーマル感が高まり、

お取引先様に限らず、お客様のもとに向かう際であっても、

間違いのない単衣から夏衣頃に欠かせない一着です。

 

 

その紋紗羽織ですが、

 

一見するだけですと無地に見えますが、

左の袖口にひとつだけ柄を入れて誂えました。

 

 

 

 

大きな徳利と束になった大福帳を両手に抱え、

大きな丸い笠を被った狸の後ろ姿。

 

 

「狸=他抜き」や「福々しい姿」、「商売繁盛」といった、

縁起の良い柄のひとつである信楽焼の狸を染め抜いてあります。

 

 

「なぜ後ろ姿? 前はないのか?」

 

と言われる事もありますが、

元々誂える時には袖口の内外に狸の前後を染める予定だったのですが、

天邪鬼、変わり者、B型の私はそれでは面白くないと思い、

外袖に後姿だけを染めてもらうようにお願いをしました。

 

 

この思いつきで前姿を入れなかった事が功を奏し、

一見だけでは何だろう?と思われる柄も、

この袖口ひとつの柄から会話が弾む事もあり、

大福狸らしい素敵なご縁を繋いでくれています。

 

 

 

一着の羽織と狸が繋いでくれるご縁。

 

 

この羽織とも20年来の付き合いとなりましたが、

これからも羽織共々、繋がるご縁を大切にしていきたいと思います。

 

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