和をたしなむ

2025.11.01更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「袷の重さが心地好い秋の頃」

 

11月朔日。

 

 

秋を通り越して冬を感じる今になって、

ようやく袷に袖を通すようになりました。

 

 

きもの暦もへったくれもなく、季節感もない状況ですが、

10月も初旬はとても袷を着る様な気候ではなく単衣で過ごし、

終わりが見えた頃にやっと、袷を着たみたいという気持ちになりました。

 

 

そんな今秋初の袷は何を着ようかと思い、

選んだ一着は紺色の無地紬に。

 

この様なスタイルとなりました。

 

 

 

 

私の定番、濃紺色の無地紬の長着に、

臙脂色を基調とした組紐角帯を合わせました。

 

 

 

半年以上振りの袷は心地好い。

 

 

その袷の着物の心地好さは、

適度な重さと、裾の落ち具合にあると私は感じています。

 

 

表生地と同じ長さの裏地が付けられた袷着物は、

それまでの季節に着ていた夏衣や単衣とは違い重量感があります。

 

 

肩山から裾に掛けて、

また袖下に向けて全身から感じる生地の重量感は、

袷の着物ならではの感覚で、

 

単衣から袷に衣替えをしたすぐの頃は、

この重量感が一瞬不快にも感じるのですが、

段々とそれも馴染み、適度な重さが全身に掛かる感覚が心地好く感じます。

 

 

また、その重量感があるからこそ裾もすとんと落ち、

単衣とは違う裾裁きの心地好さがあり、

これも着こなしていくと何とも心地好い感覚になります。

 

 

 

特に今日袖を通した無地紬は、

それなりの生地厚があるので重さもあり、

この心地好さを十二分に楽しめる一着。

 

単衣の頃は頻繁に直していた裾の乱れも少なく、

袷初日は秋風の心地好さも相まり、とても快適に過ごすことが出来ました。

 

 

 

 

こうした何気ない感覚もすぐに慣れ、

春が近づく頃には単衣が恋しくなることでしょう。

 

 

今在る季節を大好きな着物とともに過ごしていきながら、

日々の着物と在る時間を楽しんでいきたいと思います。

 

 

皆さまにとっても、素敵な袷の季節となります様に。

 

 

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