和をたしなむ

2020.06.24更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。 「八重山ミンサーを結び、沖縄に想いを馳せる。」

 

昨日、朝ごはんの準備をしていると、

目に留まった「沖縄戦慰霊の日」のニュース。

 

75年前の6月23日は、熾烈を極め、一般市民を巻き込んだ、

沖縄戦の組織的戦闘が終了した日です。

 

 

そのニュースを目にした瞬間から、結ぶ帯はこの一本に。

 

 

沖縄の染織、八重山ミンサーの角帯です。

 

 

「ミン(綿)サー(狭)」の名の通り、

綿で織り上げた、幅の狭い織物のこと。

 

藍色の地に、カラフルな色が織り込まれ、別に季節がある訳ではないのですが、

夏になると結びたくなる一本です。

 

 

昨年10月の首里城炎上の時のそうですが、

https://ameblo.jp/kanossa/entry-12540701947.html(※当店ブログ)

沖縄の事になると、不思議と胸が締め付けられます。

 

親戚がいる訳でもなく、特段仲の良い友人がいる訳でもなく、

深い所縁がある訳でもないのに、何か、わがことの様。

 

 

色々と考えると、その理由は、

何度か足を運び、沖縄の産地を巡り、そこで見聞きした沖縄の現状や歴史に、

少なからず触れてきたからかなと感じています。

 

 

特に印象に残っているのは、

読谷山花織会館に掛けてあった歴史の説明文と、

https://ameblo.jp/kanossa/entry-11777319303.html(※当店ブログ)

城間びんがた工房で聞いた、沖縄戦の惨状のこと。

 

 

犠牲に遭われた多くの一般市民の中には、

そうした染織に携わっておられた作家や、その家族も多数おられたそうで、

文字通りの焼け野原となった場所には、多くの染織道具や材料があったと、

産地勉強をする中ではじめて知り、愕然としました。

 

 

今、私たちが目にしているものは、

脈々と受け継がれてきた沖縄染織の全てではなく、

でも、そうした今在るものすべてが、

産地や技術、伝統を残そうとされた先人たちの、

血の滲む様な努力と奇跡的な復興により目にする事が叶い、

触れる事が出来ている事に、感謝の気持ちを抱かずにはいられません。

 

 

激動の今、

75年前の同じ事を決して繰り返さない様に、

日々確かな歩みを感じながら、前を見て進んでいきたいと思います。

 

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