男の着物における無地紬の有用性と品格 「美濃幸好みのちょっとしたフォーマル着物」
来月までの約一か月間にわたりご紹介をして参ります、
日々、それに似合う新入荷の一品や、
きもの美濃幸好みのコーディネイトをご紹介して参ります。
本日は、男性向けのちょっとフォーマル着物のご提案。
というよりも、
私なり、きもの美濃幸好みの、
「男性が品よく、また今のTPOに合うフォーマル着物とは」
という事を書き記していこうと思います。
結論から先に書きますと、
当店では私の経験と体感を踏まえて「無地紬」をおすすめする事が多いです。
「フォーマルに紬?!」
と思われる方の少なくないかも知れませんし、
御召の方が向くのでは?というのもごもっともご意見。
正直なところ、
私自身も数年前まではその様に思っており、
実際にそれに似合う着物を選んでは着て、
色々な場に赴いていました。
ですがある時から、
その場の空気感やまわりの方の反応を見ていると、
「あれ??」と思う事が多くなり、
そうした事を感じて以来、
色々と着る着物や帯の種類や色柄、羽織とのコーディネイトを考えて、
結果、至ったひとつの結論が、
「男の着物における無地紬の有用性と品格」
でした。
ほぼ毎日着物を着て過ごしている私の肌感覚ですので、
しきたりや昔からの風習などに軸足が置かれておらず、
そうした意味ではあくまでも参考までとなるのですが、
決して間違いのない感覚だろうと自分では思っております。
入卒式に母親がスーツではなくても違和感がなくなりつつある昨今。
カジュアルダウンが進んでいる洋装のなかで、
「着物を着ている」という事だけで一気にフォーマル感が一気に高まり、
今まで御召の長着と羽織を選んでそうした場に出席すると、
浮いてしまう印象を受ける時すらありしました。
決して「御召だと必ず浮く」という訳ではないので誤解の無いように。
御召が持つ光沢感がお召しになる場に向く事もありますし、
そもそもそうした素材感や質感がお好みであれば、
結婚式や入卒式など、
洋装で言うスーツと同感覚でお召しいただけたら、
一層その場の礼装感が増しますし、
相手に失礼になる事はないでしょう。
ただ、着物を着慣れない方が多いなか、
まわりと調和したいと思いつつも、
自分らしく着物を着てみたいという想いを抱く男性にとっては、
バランス感覚を大切にしたいとも思われる事と感じています。
そうした時にバランス感覚の良いきちんと感を表せるのが、
無地紬のコーディネート。
当店ではあまり節感のないものを選び、
また色目はチャコールグレーや墨色といった濃い色目を基本としながら、
ベージュ色などの淡い色目のものもご用意をし、
お客様のお好みや顔色、メインで着たい場所に合うものを、
ご提案しております。
今月も「友人の結婚式に着物で出席したい」というお客様に、
シックで深みのある無地紬コーディネートをおすすめいたしました。
その男性は初めて着物を誂えた方。
「結婚式はひとつの着ていく場であり、
他の機会にも着物を着てお出掛けを楽しみたい、
子どもの成長に合わせて自分も着物を着てその時を迎えたい。」
そんな想いをお持ちな方だったので、
その想いに応えるきもの美濃幸の答えとして、
無地紬のコーディネートをご提案し、
満足されてご結婚式に出席をされました。
答えはひとつではなく、十人十色。
ご縁あって当店にお越し下さった皆さな、
その方々に合わせたご提案をする事が私に使命ですし、
時と場に合わせ、また時代のファッションの流れに合わせて、
美濃幸らしいご提案が出来ればと思っています。
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