男の着物は甘さを抑えつつ、清涼感を持たせて。
四月の模様替えが済んだ、きもの美濃幸の店内。
もちろんですが、男性の着物コーディネートのコーナーも、
しっかり設けています。
塩沢御召の長着と羽織にと考えた、
単衣向きのコーディネートです。
こちら二反の塩沢御召は、
新潟県塩沢で製織をされている、大島謙松さんの一品。
独特のシャリ感だけでなく、しなやかなで柔らかな質感が在る事が、
大島さんの織り上げる塩沢御召の大きな特徴になっています。
グレッシュな色ですが、経糸が多彩な色が使われており、
光の当たり加減によって、見え方が変わるのも大きな魅力のひとつ。
今回ご紹介しています二反は、
どちらもユニセックスでお楽しみ頂ける色と反幅を持ったものですが、
男性のお客様が多い当店ならではとして、
角帯と男草履を合わせてみました。
こうした淡い色目の組み合わせは、どうしても「甘さ」が共存しているので、
男性の顔の合わせてみると何だかしっくりと来ない事があります。
それはユニセックス、いや、どちらかというと、
「女性を想定しているけど、男性が着ても良いのでは?」
という反物は、どんなに渋い色目であっても、
女性らしさが織り糸に込めらているから。
今の時代、それ自体が自分らしさになるという方は、
ぜひ自分らしく色合わせを楽しんで頂きたいのですが、
「色の雰囲気は好きだけど、男性らしさも表現したい。」
という方は、
そこをどうまとめるかが、男着物のポイントと思っています。
今回の場合は、
「羽織を長着よりも濃い色を持ってきた事」と、「角帯に色を加えなかった事」が、
私なりのコーディネートポイント。
男の着物は、甘さを抑えめにしつつも、
男性らしい清涼感を持って、お楽しみ頂けたらと思っています。
着物が心地良いこれからの季節。
お気に入りのコーディネートと共に、素敵な季節をお過ごし下さい。
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