着姿に願いを込めて。「九寸帯(名古屋帯)・染の川勝・矢羽根柄」
12月も本当にあっという間に大晦日が見えてきて、
2025年の到来も間近となってきました。
なんだか今年もあっという間に過ぎてしまった気持ち。
忙しくさせていただけているからなのでしょうか、
はたまたただ単に年のせいなのでしょうか。
この感覚の事を「ジャネーの法則」というそうなのですが、
その法則に則れば、私の今年一年の体感時間は7日間!!
それは短く感じるというものです(汗)
皆さまも気になる方は「ジャネーの法則」を調べてみてください。
さて、
今年一年、このコラムを通して美濃幸好みの一品をご紹介してまいりました。
多くの皆さまにご覧いただく事が叶い、
本当に嬉しく思っております。
誠にありがとうございます。
2024年最終盤にご紹介する一品は、
2025年に向けて、願いを込めた染の一本となります。
薄っすらと象牙色に染め上げた塩瀬の上に、
鮮やかな朱赤色の矢羽根柄を描いた一本。
染めの名店「染の川勝」さんが手掛けた九寸帯になります。
染の川勝さんは京友禅を染め上げる名店のひとつであり、
こうした「スカッとした柄」を染め上げる事に関しては、
他に追随を許さないものづくりの姿勢と矜持を持っている様に私は感じています。
伝統に裏付けされた確かな技術と、
それを活かして一つの品を染め上げる感性。
これこそが染の名店たる所以ですし、
そうした素晴らしい仕事をして下さるお取引先がある事は、
私にとって何よりも嬉しく、有難いことだと思います。
塩瀬生地の生成り色に近い、薄い象牙色の地の上に配された矢羽根柄。
この矢羽根は二本染め上げてありますが、
紅白となっています。
矢羽根柄は親しみのある柄の一つで、
様々な表現の仕方や描き方、それを表す技法がありますが、
この雰囲気は糸目友禅だからこそ成せるものです。
魔除けや祈願成就の願いを込めた矢羽根柄。
明らかにその想いを遂げてくれる様な、
すっきりとした印象に仕上がっているのは、
上記のような事がすべて相まり、
一本の帯として仕上がっている様に感じます。
直線的な矢羽根と、曲線的な組紐との組み合わせも絶妙。
彩色は基本朱赤の濃淡のみ。
糸目の部分に金彩を施し、
そして矢に付けられた魔除けの鈴にだけ、
金駒刺繍が施されています。
こうして、色を最大限省き、
柄本来が持つ力を信じて染め上げるからこそ、
この外連味のない仕上がりとなっています。
前腹の様子はこちら。
こちらもお太鼓柄同様、
日本の矢羽根を紅白に染め上げ、
とてもすっきりした仕上がりとなっています。
朱の矢羽根と、
白の矢羽根に、
組紐を組み合わせた流麗な雰囲気のもの。
矢羽根柄の美しさと清廉さが、
ともに活かされた染め上がりの一本です。
塩瀬帯なので、
色々な場面に、またお好みの着物に合わせて、
結んでいただける一本になります。
時期的なことを考えると、
初詣には最適な一本にはなりますが、
矢羽根柄が持つ柄の意味であったり、この染め上がりの印象を考えると、
色無地や軽めの附下に合わせて、
フォーマルな場に結んでいただいても、
とても品の良い着姿を演出してくれる事と思います。
着姿に想いを込めて。
美濃幸が自信をもってお勧めする「美濃幸好み」の一本が、
そんなひとときのお役に立てる一本となれば何よりも嬉しいです。
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