和をたしなむ

2024.09.06更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

秋を感じ、自分らしく楽しむ。「九寸帯(名古屋帯)『紅葉彩り』」

 

前回の投稿でちょっとご紹介をしました、

紅葉の九寸帯。

 

 

改めて、詳しい写真を添付しながら、

ご紹介いたします。

 

 

 

 

柔らかな地色の上に、

モダンな雰囲気で染め上げた紅葉の柄。

 

 

塩瀬の九寸帯らしい、

季節感あふれる柄を染め上げました。

 

 

 

 

紅葉の柄は、秋の定番中の定番柄。

 

 

染織問わず、「秋の柄」と言えば、

ほとんどがこの紅葉をモチーフにして、

秋の季節を感じる柄として扱っています。

 

 

 

その使い方は様々。

 

 

写真の様に紅葉の形や色を忠実に表したり、

はたまた、デザイン化した抽象的なものもあり。

 

幹や枝を共に描くものもあれば、

葉だけを描くものもあり。

 

背景も様々、

遠山のなかに描かれているものもあれば、

流水に浮かぶそれを表現しているものもあり。

 

 

 

定番中の定番だからこそ、

作り手の感性の赴くままに、

様々は表現がなされ、

そうした集合体を見ている私たちは、

自然と「日本の秋」を感じている様に思います。

 

 

 

当店でも色々な紅葉の帯を扱っていますが、

こちらの一本は写実と抽象の間の様な表現がなされています。

 

 

 

 

葉のかたちはそのものですが、

型染と手挿しを併用して表した紅葉たちは、

実にモダンで多彩な色遣いとなっています。

 

 

秋らしい落ち着いた山吹色を中心として、

その一色淡い黄色も使い、

 

 

 

なかにはどこか涼感も感じさせてくれる、

水色や藤色も柄の中に使われています。

 

 

 

紅葉の輪郭も多彩。

 

 

 

山吹色や濃い目の紫色系、

灰色や若草色を使い、

 

またそうした色たちが、

葉の交わるところで色を変えながら表現されているので、

 

純然たる紅葉の柄ではありますが、

先述の通り、どこかモダンさを感じさせてくれる、

仕上がりとなっています。

 

 

 

こうした葉の染色は、地色との相性が大切です。

 

 

ただただ色をモダンにしても、

それだけが飛び出てしまうと素っ頓狂な雰囲気に成り下がってしまいますし、

その色も使いすぎると雑味が増えてしまいます。

 

 

和装の帯としての品格も保ち、

かつ、どこか洋のエッセンスを感じる、

灰色にベージュ色が掛かった様なグレージュ系の地色が、

そうした染柄のすべてを受け止めてくれています。

 

 

 

 

 

前腹の様子はこちら。

 

 

 

 

こちらは、お太鼓と比べるとあっさりとした仕上がり。

 

 

葉の色は2色。

 

輪郭の色を合わせても、

4色でまとめています。

 

 

 

 

こうする事で、

前のメインとなる帯〆の色が乗りやすくなり、

使い勝手が良い一本となります。

 

 

 

 

前回のコラムでも書きましたが、

 

染め帯の魅力は「今」の季節感を楽しめる事にあります。

 

 

紅葉もその最たるであり、

イコール秋を感じる柄ですが、

実際に紅葉の季節は数週間だけ。

 

お召しになる時があまりにもずれてしまうと、

タイムリーに使う面白味が薄くなってしまいますし、

 

お召しになる皆様も、

そうした事を危惧されている事と思います。

 

 

 

こちらの一本は、色遣いが抽象的であり、

紅葉の柄ではありますが、

デザイン化されたような雰囲気も感じられます。

 

 

そうした意味では、他のものと比べると、

比較的長いスパンで秋を楽しんでいただける、

重宝な一本にもなります。

 

 

 

合わせる長着の色も選ばず、

帯色に合わせて、多彩な帯〆の色選びも楽しめる。

 

 

 

来たる季節を自分らしく楽しむ一本に成り得たら、

何よりも嬉しい事です。

 

 

 

 

《掲載商品のご購入はこちらから》

※商品名と写真をクリックしていただくとオンラインショップに移行します。

 

九寸帯(名古屋帯)「紅葉彩り」

176,000円(税込・反物価格)

 

 

 

 

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