美濃幸好みの『ちょっとしたフォーマル着物』とは。
先月から約一か月間にわたりご紹介をして参ります、
日々、それに似合う新入荷の一品や、
きもの美濃幸好みのコーディネイトをご紹介して参ります。
美濃幸好みの「ちょっとした」フォーマル着物。
この「ちょっとした」という言葉は、
かなりあいまいな言葉。
一昔前の和装業界では、
「ちょっとしたパーティに着れる着物」というご提案言葉が流行った事があり、
冷静に考えて「『ちょっとしたパーティ』ってどんなパーティ!?」と、
笑い話の様に揶揄されたことを思い出します。
その曖昧さで何となくのニュアンスが伝わるのも、
日本語や日本人の良い所かも知れませんが、
それぞれの感性と感覚、
またお住まいになられている地域の差に寄る、
かなりふわっとした言葉である事は間違いないかと思います。
では、
美濃幸好みのちょっとしたフォーマル着物とは何ぞや。
私の想うものは、
女性向きでいいますと色無地ではなく豪華な訪問着でもない、
洋装化とその簡素化が進んだ今のフォーマルな場に似合う、
スマートな和装というものであり、
その様な和装でのスタイルを、
ご縁あったお一人様ごとの個性に合わせて
ご提案出来ればと思っています。
こちらの附下げと袋帯もそんなコーディネートのひとつ。
瑞雲と鳥を染め上げた吉祥を感じる柄で、
フォーマル着物の柄としては最良のひとつ。
でもご覧の通り、
かなり小付な柄付けが為されており、
一見するとフォーマル着物としては軽すぎる様に思えるかも知れません。
前身頃の柄付けもこの程度。
瑞雲がふたつと、鳥が二羽のみ。
でもこの柄の軽さがこちらの附下の身上であり、
ちょっとしたフォーマルとして向く仕上がりと思っています。
青空に見立てた地色の上に浮かぶ、
一色鮮やかな色目を意識して染め上げた黄金色の瑞雲。
細かな金彩も施されており、
こうした細部へのこだわりや仕事っぷりが、
柄の存在感を高め、着物全体の格へと繋がります。
瑞雲は、
めでたい事の前に浮かぶと言われる、
吉兆の雲。
飛ぶ鳥も同じく、
大空へ羽ばたこうとする大志を意味する存在です。
小付けな柄であっても、
そこに着手の想いが込められており、
そうしたひとつひとつの大切な想いを、
一見した豪華さなどにとらわれずにまとめ上げる事に、
美濃幸好みちょっとしたフォーマル着物があります。
ちなみに、
今回合わせた帯は袋帯でして、
観世流水の模様を織り上げ、二色づかいで仕上げた、
軽めの印象を持つ一本。
帯色は瑞雲の色味に合わせ、
帯〆は地色に似合うものを組み合わせてみました。
こうする事で、
着手の想いである「瑞雲」と「飛ぶ鳥」に着姿がまとまり、
すっきりとした印象として仕上がります。
文様や柄の持つ意味や格式は、
着物に袖を通す時に考える大切な要素です。
その意味を着姿に込め、想いを込めたお姿が、
皆さまの晴れやかなひとときに添えるものになれば何よりも嬉しい事です。
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附下「瑞雲と鳥」
264,000円(税込・反物価格)
※オンラインショップ非掲載品です。 気軽にお問い合わせください。
198,000円(税込・反物価格)
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