葛布について。「4/20・21・22開催 大井川葛布展~古代布の源流に触れる~」
今月末に開催します「大井川葛布展~古代布の源流に触れる~」に向けて、
鋭意準備中のきもの美濃幸です!
会が始まる前に一度、葛布について私が知るところを、
少し書き記していこうと思います。
まずは「葛布」について。
「葛布」は、
「三大原始布(古代布)」のひとつで、
沖縄の「芭蕉布」、東北の「しな布」と並び、
日本の自然風土の中で生まれ、育まれ、今の世に受け継がれてきた、
自然から繊維を頂き、自然の営みの中で製織された布地のこと。
「古代布」と付くくらいなので、もちろんその歴史は古く、
中国では紀元前4325年頃の遺跡から葛布が出土、
日本でも、古墳時代前期の古墳から銅鏡に付着した葛布が出土されるなど、
現存するもの以外でも、文献で記載されているところを辿るだけでも、
人間との関わりが深い布地だった様です。
近年(江戸時代近辺)に近付くと、葛布は生地の丈夫さと通気性などから、
鎧下に使われたり、公家の装束に使う布としても活用の場が広がり、
裃などにもされていたそうです。
下の写真は、
大井川葛布工房の村井龍彦氏が保管されている、
江戸時代の裃。
もう一枚は、同じく村井さんが保管されている、直垂。
江戸時代の武士が着ていたらしい、
葛布の防寒コート(外套)も拝見させて頂きました。
神職さんの装束なども保管されています。
葛布というと、
その素材感から「単衣~夏」というイメージがありますが、
防寒コートの生地に使われていたという事は、
それが使われていた季節は思っている以上に広かったそうで、
実際に葛布の特性上、保温性もしっかりとしており、
防寒たりえるものだったと考えられています。
とここまでが、
葛布の大まかな事と歴史について。
次回は、葛布が織り上がるまでの工程を書いていこうと思います。
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