和をたしなむ

2025.06.06更新 -

蛍が飛び交う、初夏の涼感を。「樋口隆司作 小千谷紬 × 染の川勝・無双九寸帯 蛍」 

 

6月に入りましたので、

先月までにご紹介をしてきました今年の夏衣たちを、

美濃幸好みのコーディネートを創り上げて、

順番にご紹介をしてまいります。

 

 

 

「草の葉を 落るより飛ぶ 蛍かな」 芭蕉

 

 

そうです。

 

蛍の季節がやってまいりました。

 

 

名古屋市内にいると、

なかなか出会うことがない蛍。

 

我が子はおそらく一度も、

目の前を飛び交う蛍の様子を見た事がありません。

 

 

私も蛍を生で見たのは大人になってから。

 

社会人時代に福井に配属された際に、

仕事の帰り道に田んぼのあぜ道を歩いているときに、

その横を飛び交い、一日の疲れを癒してくれる存在でした。

 

 

 

そんな6月の風情を、

感じさせてくれる美濃幸好みのコーディネートを、

今日はご紹介いたします。

 

 

 

 

爽やかな印象を感じさせてくれるコーディネート。

 

帯に水辺に飛び交う蛍たちが染め上げられたものを合わせました。

 

 

 

 

こちらの帯は、

京友禅の名店「染の川勝」さんが手掛けた、

無双の九寸帯。

 

 

帯芯に流水柄を描き、

その上の紗生地に蛍を染め上げてあり、

帯芯と表生地との透け感が楽しい一本です。

 

 

 

 

無双帯の詳しくはこちら

蛍の幽玄さと、流麗な清涼感をお楽しみください。

 

 

 

その帯に合わせる長着は、

小千谷で製織活動をされていた樋口隆司さんが手掛けた、

湯揉み縮の小千谷紬の一反です。

 

 

 

 

単衣と夏衣を共にお楽しみいただける様な、

薄手に生地を織り上げたものを、

お湯に付けながら手揉みをすることで、

ふっくらしなやかな生地感と、縮の様なしぼ感ができ、

蒸し暑い頃を快適に過ごすことが出来る一着に仕上がります。

 

 

 

 

とても着心地が良い生地なのですが、

当店での取り扱いはこちらが最後の一反。

 

 

先に「製織活動をされて『いた』」と書きました通り、

樋口隆司さんは数年前に工房を閉められており、

手持ちのものしかご紹介が出来ない状況となっています。

 

 

 

 

長年されてきた活動を止められるには、

それなりの理由があったと想像できますし、

無くなってしまったものを嘆いていても仕方ないと思っており、

こうして手持ちのものを大切にご提案を重ねてきたのですが、

 

先日、遠方の方からお問い合わせをいただき、

その方は昔から樋口隆司さんが手掛ける作風が大好きであり、

また着心地がとても良いことをよくご存知という事で、

当店手持ちの何反かをお求め頂く事が叶いました。

 

 

 

「もう二度と手に入らないと思っていたので、とても嬉しいです」

 

というお言葉をいただけて、

きもの専門店冥利に尽きる思いを感じさせていただけました。

 

 

そして、この最後の一反。

 

樋口さんの事をご存知の方でも、そうでない方でも、

等しく着物が好きな方にお届けすることが出来れば一層嬉しいです。

 

 

 

そんな樋口隆司さんの一反は、

蛍が住める清流の様なきれいな水色が織り込まれています。

 

 

 

 

水色と灰色を、縦方向の縞柄の中で織り成し、

どこかモダンな雰囲気を演出してくれています。

 

 

 

 

帯も長着も単衣の頃から夏衣に掛けて、

存分にお楽しみいただける色柄素材感を持ち合わせています。

 

 

帯の解説でも書きましたが、

蛍柄と言えども明らかなそれではないので、

今時分から秋口にかけて、

合わせる長着や帯〆の色を変えながら、

幅広い期間でお楽しみいただけます。

 

 

 

季節感を感じ、それを自分らしく表しながら、

来たる季節を着物と共に素敵なひとときとしてお過ごしくださいませ。

 

 

 

 

《掲載商品のご購入はこちら》

※商品名と写真をクリックしていただくとオンラインショップに移行します。

 

 

小千谷紬「樋口隆司・単衣~夏衣向き・湯揉み絹縮・遊び格子」

220,000円(税込・反物価格)

 

 

 

九寸(名古屋帯)「染の川勝・無双・夏~単衣向き・蛍」

253,000円(税込・反物価格)

 

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