６月に入り、店内の模様替えを進めています。

 

そんな今月のサロンスペースの一品はこちら。

 

 

 

 

薄っすらと生成り色がある白い生地の上に染め上がるは、

川面に浮かぶ優しい光の数々。

 

そろそろ山辺の方から蛍の便りが届き頃となりました。

 

 

 

こちらの一本はそんな情景に見立てて染め上げた九寸帯。

 

 

染の川勝さんが手掛けた一本で、

帯芯に鮮やかな水色で川面の流れを描き、

表生地となる紗の上に金彩で蛍の様子を染め上げた、

無双の一本になります。

 

 

 

無双（紗袷）は、単衣の範疇にあり、

今時分に楽しみたい生地のひとつ。

 

 

帯よりも長着の方が人気があるのですが、

最近は無双を染める腕の良い染屋さんが減っており、

問屋に足を運んでも見かける事も少なくなり、

大変貴重なお品になってきました。

 

 

帯は比較的出回っていますが、

それでも染の川勝さん以外で見かける事はほぼ無く、

限られた季節のお品という事もあり、

お求めになる方も少なくなっているのが現状かも知れません。

 

 

とはいえ、帯は比較的それも緩く、

柄によっては単衣の頃から夏衣の頃まで、

夏の一本としてお楽しみ頂く方も多く、

 

こちらの一品の様に、

あからさまな蛍の柄ではないものは、

折々の季節感に合わせて、

お召し頂く事が出来る一本になります。

 

 

 

ありのままではなく抽象的に染め上げた一本。

 

 

お召しになる方だけでなく、

その着姿をご覧になる周りの皆さまの

イマジネーションをかき立て、

 

それがあるだけで会話が弾んだり、

人とのご縁や輪を繋ぐものにもなる事が、

着物ならではの魅力です。

 

 

 

どこか日本らしい季節感を感じさせてくれる一本と共に、

素敵なひと月をお過ごしくださいませ。

 

 

 

《掲載商品の詳細・ご購入はこちらから》

※商品名と写真をクリックしていただくとオンラインショップに移行します。

 

九寸(名古屋帯)「染の川勝・無双・夏～単衣向き・蛍」

２５３，０００円（税込・反物価格）