和をたしなむ

2025.05.23更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

蛍の幽玄さと、流麗な清涼感をお楽しみください。「九寸(名古屋帯)「染の川勝・無双・夏~単衣向き・蛍」」

 

 

夏らしい太陽が射し込むようになり、

季節は初夏から夏へと移ろっている様子を日々過ごしながら感じます。

 

 

今日の一品は、

そんな来たる自然の美しさを込めた染めの九寸帯(名古屋帯)を、

ご紹介いたします。

 

 

 

九寸(名古屋帯)「染の川勝・無双・夏~単衣向き・蛍」

 

 

京友禅の名店「染の川勝」さんが手がけた、

夏の九寸帯(夏名古屋帯)になります。

 

 

 

 

題名にもある様に、こちらの帯は「無双」の帯。

 

 

無双とは、本来表裏同じ生地を使って仕立てたものの指し、

よく見かけるものでいうと、長襦袢の袖を「無双仕立て」にする事があります。

 

 

こちらの無双は、表裏同じ生地ではなく、

裏地となる帯芯と、表地となる紗織の生地が二重になっており、

その二重になる透け感や動きのある様子が、

単衣~夏衣に掛けてお使いいただけるものとなっています。

 

 

 

 

生成りの帯芯となる生地には、

透けても映える様な鮮やかな水色で流水が描かれ、

 

その上生地となる紗織の生地には、

金彩で蛍が表現されています。

 

 

 

 

この下の帯芯地に使われている水色は、

通常であれば表には使わない、目が覚めるような水色。

 

 

ただし、ご覧の通り紗の生地を通すことで、

たおやかさを感じる清流の様な色となります。

 

 

 

 

紗の生地に描かれた蛍は、金彩で染め抜いたもの。

 

 

蛍の幽玄な雰囲気を感じると共に、

その描写の仕方が明らかな蛍ではない様になされているので、

水面に浮かぶ「何か」に見立てて、

幅広い季節感で結んで頂ける一本になるかと思います。

 

 

 

 

 

無双帯の魅力は、

通常の染め帯とは違う、「動き」にあります。

 

 

生地が二重になっていることから、

上と下の生地の間に空間が出来て、

そこに微妙な透け感の違いや、生地自体の動きが生まれます。

 

 

 

 

透けているところと、そうでないところ、

 

その動きは、水の揺らぎであり、

 

 

 

 

 

水面にそよぐ風に吹かれながら飛び交う、蛍の様子そのもの。

 

この動きと陰影に、無双帯の魅力があります。

 

 

 

前腹の様子はこちら。

 

 

 

 

同じく、流水と蛍の光が表現なされています。

 

 

 

 

合わせる夏衣は、夏紬や夏小紋などが最適。

 

意外と小千谷縮など、また有松鳴海絞り浴衣に合わせていただいても、

流麗な雰囲気を演出してくれるかもしれません。

 

 

 

蛍の季節は6月いっぱいと、

帯を結ぶ期間としては短めでありますが、

 

その季節感を十二分に楽しむために、

蛍そのものに見立てて、今の季節感ならではのものを楽しんでも良し。

 

 

反対に単衣~夏衣という比較的長い季節を想定して、

またあからさまに季節を感じる柄ではないと見立てて、

流水の清涼感を感じる様なコーディネートで、その時々を楽しんでも良し。

 

 

 

合わせる長着や、帯締めなどの小物合わせによって、

自分らしいコーディネートで、また折々の季節感を感じ、

お楽しみいただけたらと思っております。

 

 

 

 

一本の帯と共に季節と共に在るきものを、

存分にお楽しみくださいませ。

 

 

 

《掲載商品のご購入はこちら》

※商品名と写真をクリックしていただくとオンラインショップに移行します。

 

九寸(名古屋帯)「染の川勝・無双・夏~単衣向き・蛍」

253,000円(税込・反物価格)

 

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