和をたしなむ

2025.04.25更新 - 徒然なるままに

迷いなく染め上げた塩瀬の菖蒲。

 

ゴールデンウィーク期間中も、

上機嫌で営業をさせていただいております。

 

詳しくはこちら

ゴールデンウイーク期間中(4月26日~5月6日)の営業ご案内

 

 

皆さまのご来店ご利用に、心から感謝をいたします。

 

 

 

さて、

 

端午の節句に向けて、

店先に飾っております兜飾り。

 

 

初夏の季節をそのままに感じていただける設えとして、

3月のお雛様飾りと共に毎年楽しみにして下さるお客様もおられ、

定番の楽しみにしていただけて有難いことと感じております。

 

 

 

そして、

兜飾りの背景にと思い掛けました、

塩瀬の九寸帯。

 

実はこれに目を留めてくださるお客様が大変多く、

私としては何よりも嬉しいことです。

 

 

 

 

スッと伸びやかに、力強く、

筆先に一切の迷いもなく描かれた菖蒲の一輪。

 

日展会員であられる高久空・木さんが染め上げた、

ろうけつ染の一本です。

 

 

 

この図案は高久さんの定番柄のひとつですが、

この店に掛けている一本を染め上げ、当店が仕入れをしたのは、

高久さんがまだ高久尚子を名乗られていた頃、

10年以上も前になります。

 

 

当然の事ですが、

この一本もお客様に販売するために仕入れをした一品であり、

しかしながら、なかなか良縁に恵まれず、

 

10年来店に居てくれるおかげで若干の色焼けもあり、

その存在はもう季節の設えとしての意味合いが強くなってきましたが、

 

それでも私には手放せない大切な一本であり、

見れば見るほど秀逸な仕上がりの一本でもあります。

 

 

 

ここまで潔く、また外連味もなく、

心向くままに筆が伸び、たった一輪の菖蒲の優美さを染め上げたものに、

他で出会ったことがありません。

 

 

そんな秀作だからこそ、ご縁あったお客様にお譲りしたいという気持ちと、

二度と手にすることが出来ないかもしれない思いから、

手放したくないという思いの葛藤。

 

商売人としては失格の様に思いますし、

そんな事を思っているからこの帯の良縁を遠ざけているのかもしれないと、

反省をしている訳ですが、

 

ものづくりが困窮している現状において、

こうした秀作に出会える事、そのようなものづくりに近い位置で仕事ができる事は、

きもの専門店として他に代えがたい有難さですし、

 

その幸せをかみしめながら、

今日も想いを共にして下さるお客様と共に、

一本の帯を前にしてあれこれ好き勝手に言いながら、

楽しいひとときを過ごさせていただいております。

 

 

 

そんな事を感じながら過ごす、ゴールデンウィーク初日。

 

 

明後日27日は定休日をいただきますが、

その後は通常通り営業をいたします。

 

 

どうぞ皆さまも素敵な休日、日々をお過ごしくださいませ。

 

 

 

 

 

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