和をたしなむ

2024.09.03更新 - 徒然なるままに

長月の京都雑感。

 

昨日は月初め恒例の京都への問屋巡りの一日。

 

 

朝から車を京都へと走らせ、

 

日中はお客様からいただいているお仕事をこなし、

併せて秋冬物の仕込みも行い、

 

夜はきもの専門店の同志と久しぶりに会食をし、

笑いありも業界や自身の商いについての真剣な話で盛り上がり、

 

楽しい話のあとは名神高速集中工事により発生した渋滞を掻い潜り、

名古屋へと車を走らせた、

 

慌ただしくも、大変充実した一日となりました。

 

 

 

着物業界において9月は、

秋冬物の新作現品が売り出される月。

 

とはいえ、最近はこの熱波の影響もあってなのか、

時期がずれている様にも感じています。

 

 

 

私も昨日は春頃に仕込んだ秋冬物の現状確認と、

お正月頃に似合う一品を見分けてきました。

 

 

その一品が届きましたら、またご紹介いたします!

 

 

 

京都での会食は、

嵐山に在る嵯峨鳥居本「鮎の宿つたや」さん。

 

 

 

 

400年前、

愛宕山への参拝客にお茶を出すようになったことから商いが始まった、

老舗料亭になります。

 

 

 

出されたお料理は、きちっとされた懐石料理。

 

 

 

 

料理長である亭主さんが、

ひとつひとつ心を込めて作り上げ、

 

 

 

 

その奥さまである女将さんが、

素敵な笑顔と楽しい会話と共に配膳をして下さる、

お料理の質もさることながら、

そのお店自体が持つ価値も高いお店でした。

 

 

 

 

インバウンドマーケティングが進む京都市中。

 

 

仲間たちとのふとした会話の中で、

京懐石のお値段の事に話が及び、

今、真っ当な京懐石を出す店の主人たちのなかで、

料理代だけで10万・20万を取る店は、

どんな料理を出しているのかと、

話題になっているとか。

 

 

 

「高級店としてのブランド」

 

「それ以外の付加価値があるから」

 

「価値観を想像する」

 

という、

顧客目線の様なマーケティングやブランディングも、

一歩間違えればただの金儲けのためだけの手段に。

 

 

それに陥っている料理店が多いのではと、

同席した京都の老舗専門店の店主さんは危惧されていました。

 

 

 

料理屋の価値は料理に尽き、

着物屋の価値は着物に尽きると、

私は思っています。

 

 

もちろん、それを引き立てるための演出や装飾、

接客サービスは不可欠ではありますが、

すべては本業の下に在るものに、

商いの価値は帰結します。

 

 

 

ひとつひとつの食材に目と心を配り、

一心に調理台に向かう亭主のお姿、

 

その出来上がった料理を丁寧に運び、

お客様に伝える女将の姿を見て、

 

一見だけであれば、

実に地味で遠回りの様なひとつひとつの仕事にこそ、

400年以上も繋がっていく店が持つ本当の価値観が在ると、

出された料理に舌鼓を打ちながら感銘を受けていました。

 

 

 

当店は80余年のまだまだ若輩者の店。

 

 

つたやさんを見習い、

精一杯、今の仕事に精進をしてきたいと決意を新たにした、

長月の京都雑感でした。

 

 

 

 

そんな御託はさておき、

 

鮎の宿つたやさんは、料理は最高、ロケーションも最高なお店ですので、

嵐山にお越しの際はぜひご利用ください。

 

絶対にお勧めのお店です♪

 

 

 

 

 

 

 

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