和をたしなむ

2021.12.14更新 - 徒然なるままに

付け紐飾りに込めた、お子様の幸せ。

 

10月にお承りした「産着(初着)」の誂えを、

先月ご納品をし、晴れてお宮参りをされたという、

嬉しいご報告をお客様から頂きました。

 

 

ハレの席と共に在る祝い着を、

お見立てをし、そのお役に立てる事は、

きもの屋としても、一個人としても、

本当に嬉しく、誇らしいもの。

 

その時のお写真は見せて頂き、

掲載は出来ませんが、

微笑ましく、幸せな家族写真を見ては、

幸せのお裾分けを頂いておりました。

 

 

お納めした産着は、

仕立て屋と相談をしながら、

三歳・七歳の七五三はもちろん、

その先も見越して仕立て替えが出来る様に、

生地の取り方を工夫しました。

 

 

一枚の布を直線裁断をして仕立てて、

一着の着物に仕上げる和裁は素晴らしく、

 

同じ布を10年以上にわたって、

その時々のサイズに合わせて直せるという事は、

世界を見渡してもなかなか見当たらない、

日本人らしい知恵と思いが込められた、

技術のひとつだと実感をします。

 

 

誤解を恐れずに言えば、

「ただの一枚の布」に想いを込めて、

それを長く受け継いでいくことや、

 

この産着で言えば、

付け紐飾りの様に縫い糸やその文様にも、

想いを込めることも、

本当に日本らしく、素晴らしい伝統だと思いますし、

そうした根底にある思いは、とても共感します。

 

 

今回はシンプルな文様ですが、

成長を意味する麻の葉模様を縫い込んだり、

魔よけのひし形を縫い込んだりと、

 

 

一針一針、

そのお子様の幸せを思い、

一着の産着が仕立て上がっていきます。

 

 

この一枚の布が、

お子様の成長と共に在り、

その節々で訪れる幸せなハレのひとときを、

 

家族の皆様と共に彩る、

そんな拠りどころとなるものとなればと、

心から願っております。

 

 

M様、ありがとうございました。

 

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