和をたしなむ

2018.07.06更新 - コーディネート紹介

帯の個性と長着の力。 琉球絣夏紬「大格子」×夏名古屋帯「雲」

 

七月に入り、一層夏らしさを感じる店内へと模様替えを進めています。

 

 

当店の壁面は、店内はもちろん店外からもよく見える場所で、

きもの美濃幸らしさを最もアピールできる場所。

 

毎回、ここのコーディネートを作るときは気を配り、

ご来店の皆さまや街を歩かれる皆さまに楽しんで頂ける様なものを考え、

並べる様にしています。

 

 

そんな、七月初旬の壁面コーディネートはこちら。

 

 

当店にしては濃い目、シックな色合わせですが、

手前味噌ながら、私は大好きなコーディネートになりました。

 

 

長着と帯と小物たち

 

それぞれの個性が活かされ、

互いの個性を引き立てあうコーディネート。

 

夏の季節と共に、お楽しみ頂けたらと思います。

 

 

長着と帯のコーディネートの詳細です。

 

 

琉球絣 夏紬 × 夏名古屋帯「雲」

 

琉球絣の大柄な格子模様と、

その個性を存分に発揮する雲柄の夏名古屋帯の組み合わせ。

 

 

この雲柄の名古屋帯は先月のコラムでご紹介をしましたが、

何年か前に別注で誂えた夏帯の一品で、

ご覧の通りの個性を持っている事もあり、

店に掛ける時は、帯だけ撞木に掛けて飾っていました。

 

その方が様になっていて帯の個性をお楽しみ頂けた事と、

正直なところ、合わせる長着が思いつかなかったので、

単独でのお目見えがほとんどでしたが、

今年、仕入れをしたこの琉球絣に合わせてみると、

私的にドンピシャの組み合わせに。

 

 

 

色のトーンも合っており、

それも功を奏しているのだと思います。

 

 

帯に関しては、先月のコラムをご覧頂くとして、

今日は琉球絣について少し書きたいと思います。

 

 

その名の通り、琉球、沖縄で製織されている一反。

 

沖縄には様々な伝統工芸、染織工芸が伝え残されています。

この琉球絣もそのひとつなのですが、

 

花織の様な、特徴的な組織でもなく、

芭蕉布の様な、特徴的な素材でもなく、

織り上げた柄も、琉球らしい文様のものでもなく、

 

絹糸の平織で製織されている透け感のある夏紬なのですが、

その配色やバランスが、やはり独特の感性に基づいているもの。

 

 

蝉の羽の様な透け感や、沖縄らしい陽気さと悲哀を込める感性、

沖縄の自然の中で育まれた色世界が、一反の中に織り込まれています。

 

 

私が好きな、特徴的な色づかいは、

写真では分かりずらいのですが、縦方向に走る「水色」の縞柄。

 

沖縄の空の色を想わせる色で、

同じような夏紬を織っている新潟十日町のものでは絶対にない、

間違いのない、「沖縄の色」が織り込まれています。

 

 

帯〆はあえて色を使わず、帯に馴染む黒系のものを。

 

帯の個性を活かし、それが着手の個性に繋がる事が、

今回のコーディネートの肝になるので、

色々と帯〆の色を合わせてみましたが、この一本が一番おさまりました。

 

 

帯の個性を活かし、着手の個性を伸ばし、

それを受け止める長着や小物の力。

 

 

着物のコーディネートは、こうしたそれぞれの物が持つ、

物の力や個性」を合わせる事が楽しさのひとつです。

 

今回の一品たちは、どれも職人の手から生み出された、

「手仕事」が前面にあるものなので、その力というものがあるのですが、

織機のものや機械のものでも必ず個性や力は備わっていて、

それをバランスを取りながら合わせると、

思ってもいないコーディネートが生まれる事があります。

 

 

着物はファッションのひとつであり、

お洒落の楽しみ方は十人十色であり、

それを認め合う事も、大切な楽しみ方のひとつ。

 

楽しみながら、自分らしさを加えながら、

着物の色合わせや柄合わせをお楽しみくださいませ。

 

 

《 掲載商品詳細 》

 

琉球絣 夏紬 「大格子」(絹100%) 116,000円(税別・反物価格)

夏名古屋帯 「雲」(絹100%) 130,000円(税別・反物価格)

夏下駄 18,000円(税別)

渡敬 黒竹籠バッグ 40,000円(税別)

渡敬 夏帯〆(絹100%) 14,000円(税別)

 

 

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