和をたしなむ

2020.06.20更新 - 徒然なるままに

歴史を感じ、見つめ、着る事を感じる一反。

 

江戸染の名店「竺仙」さんとのお付き合いも、

祖父の代から続けさせて頂いています。

 

 

美濃幸が創業80年を超え、竺仙さんはそれ以上。

 

いつからかは定かではありませんが、代々お世話になっている事は間違いなく、

今でもお世話になっている竺仙さんの営業担当の方も、

祖父の代から変わらず、三代にわたってお世話になっています。

 

 

先日、夏マスク用の残布を探している時に、こんな一反を見つけました。

 

 

竺仙さんの綿縮の長板中形の一反です。

 

 

ず~っと眠っていたので、

本藍染の色はそのまま生きていましたが、所々、黄変をしてしまっており、

そのままではお客さまにお譲りは出来ず、

何とか洗い張りを試みましたが、それも難しい事が判明。

 

蔵入りの一反とする事にしました。

 

 

ただ、そこに染め付けた柄は素晴らしく、

今のものよりも微細で繊細な柄付けが施されています。

 

 

見ているだけで勉強になり、着物屋として感じる事の多い、

素晴らしい仕事がされてあります。

 

反端に染め抜いた、竺仙さんの証紙染も今のものとは違い、

恐らく、祖父の代に仕入れをし、何かしらの理由で仕舞ってあったもの。

 

祖母が自分用にしようと隠しておいたのか、

お客さまのお取り置きが見立て替えになり、そのまま仕舞ってあったのか、

理由は定かではありませんが、

 

祖父の想い、竺仙さんの想いを感じる一反に触れると、

何か熱いものが込み上げて来ます。

 

 

 

伝統技術や伝統文化は動き続けない限り、

衰退の一途を辿ります。

 

こうした染の技術も同じくで、

一度、仕事を止めてしまうと、次が二度とありえないという事が、

この業界では多々あり、実際にその様な声をそこかしこで耳にします。

 

 

新型コロナ禍により、着物や浴衣を着る機会が減りましたが、

着ようとする気持ちが、ものつくりの現場に力を与える事も、

間違いのない事だと、確信しています。

 

 

そんな竺仙さんの今年のキーワード、

 

#浴衣を着て気分を変える

 

皆さまも、家の内外限らず、着物を着る楽しさを感じる、

素敵なひとときをお過ごし下さい。

 

 

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