和をたしなむ

2019.05.15更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「令和最初に着る着物。」

 

新時代「令和」がはじまり、あっという間の半月。

 

もう新元号にも慣れてきた頃です。

 

 

平成最後の営業日に、

 

「平成最後の日に着た着物」と題してコラムでもご紹介しましたが、

では、令和最初の日に着た着物はどの様なものかというと、こちら。

 

 

ブログではお馴染み、格子柄の立て絣塩沢御召に、

藤色の博多織の角帯を合わせました。

 

 

ちなみに、この塩沢御召は「単衣」。

 

きものの暦でいえば、5月はまだ袷の季節ですが、

令和に入ってからの二週間の名古屋の気候を考えれば、

単衣を着るのが必然的な気温25度前後の日ばかり。

 

朝夕は気温も落ち着いていますが、

日中の事を考え、また炎天下の中を外出するきものユーザーさんからすれば、

今から単衣を選ぶのが当たり前の様に思います。

 

 

「着物屋がしきたりを守らないなんて!」

 

というお叱りの声もあるかと思いますが、

 

「着物屋が新たな常識を認め取り組まなくては、今の着物を楽しめない!」

 

というのが、私自身の本音。

 

 

私は決して昔からのしきたりや、

先人が築いてきた良き歴史を無知や無為に壊したいのではなく、

むしろそれを守りながらも前に進めたいと思っています。

 

相手を重んじ、相対する人のために袖を通すハレの日の着物に関して言えば、

そうしたしきたりやルールが(私的にはドレスコードと思っています)、

大切な人への想いを込める事に繋がると思っていますので、

いくら暑くとも色々と工夫をしながら、暦を護るコーディネートを心掛けますし、

ご縁のあったお客さまにもその様に伝えます。

 

 

反対に、自身のお洒落できるカジュアルな着物の場合は、

自身の感覚に合わせて、その日の着物を選ぶ事が当たり前だと思います。

 

 

真夏に袷を着る人がいないので、何となく早目に単衣を着る事が目立ちますが、

ファッションは自由であるべきですし、美の基準は人それぞれ。

 

もし、私自身の心の中に「?」が浮かぶような違和感を感じる事があっても、

それを受け入れる事が出来るような、フラットな心で在りたいと、

常々思いながら過ごしています。

 

 

平成の30年間は、

きもの業界においては衰退の一途を辿る時代でしたが、

令和の時代はそれとは違う、新たな着物の楽しみ方が見つかる、

広がりのある素敵な時代になる事を願い、

そうしたお役に立てる様な着物屋で在りたいと思っています。

 

 

皆さまも素敵な着物と在るひとときをお過ごし下さいませ。

 

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