和をたしなむ

2017.02.07更新 - 男のきもの

男のきものを嗜む。「羽織紐のこと」

暦の上では冬から春に移り、

私のワードローブである「着物」は衣替えとまではいきませんが、

コーディネートする色などを「春色」へと変えていっています。

 

長着は春らしい明るめの色目を中心に、角帯は一色軽やかなものをコーディネート出来る様に、

女性の着物のように、男の着物には文様は少ないため、柄で季節を楽しむことは難しいのですが、

こうしたコーディネートの色や、半衿の色を変えるだけで、手軽に季節を楽しむことが出来ます。

 

そんなことを想いながら先日、羽織に付く「羽織紐」を明るい色に付け替えました。

 

羽織紐はその名の通り、羽織に付く紐の事ですが、

色数が少ない男の着物にとって、貴重な色で遊べる部分。

洋服でいうところのカフスやタイピンで色を挿したり、遊び心を取り入れる様に、

比較的自由に取り入れることが出来ます。

 

私が付けたものはこちら。

 

 

江戸組紐の名店「龍工房」さまのもので、ブルーグレーの地にうっすらと挿された桜色が、

なんとも清々しく、春らしさを感じる組み上がりで、私のお気に入りの一組。

 

用途的にはカジュアル~セミフォーマル向きですので、

不祝儀以外では、これで大体済ませることが出来そうです。

 

そして写真でもわかる様に、私は羽織紐は「直付け」が好き。

 

直付けとは、

羽織側に付いている羽織紐を通す布の輪「(ち)」に直接取り付ける事で、

羽織紐にはこの直付けのタイプと、S鐶の金具で付けるタイプと、

大きく分けて2タイプあります。

 

なかには、「直付けが正式。」と言われる方もおられるみたいですが、

私が調べたところでは、決してそうではない様で、

幕末頃にこのS鐶のものが便利という事で流行をし始めたそう。

 

結局のところ、どちらでも自分が使いやすい方を選択すれば良いだけの事で、

私の場合は、直付けしていれば乳が切れない限り、紐が取れることが無い事と、

紐を結ぶときの感覚と時間が大好きで、こちらの方を選んでいます。

 

という事もあり、当店に置いてある羽織紐のほどんど直付けのタイプ。

紐を結ぶのは難しい。」と言われますが、これも決してそうではなく、

数回練習すれば誰でも簡単に結べる様になります。

 

S鐶の方が機能的っぽいですが、

私的には実際には着用中に取れてしまう事が多いので、

直付けの方が結果的には機能的だったりします。

 

とはいえ、先に書いた通り、

どちらでも自分のスタイルに合ったものを選べば、それが自身にとってのベスト。

 

二本の紐(一本のものもありますが)で、男の着物を心からお楽しみください。

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