和をたしなむ

2018.10.19更新 - コーディネート紹介

秋の遠山をお楽しみ下さい。「遠山霞 小紋×遠山柄 すくい織り袋帯」

 

もう少しすれば、東海地方の山脈も秋色の色づく頃。

 

色が失せる冬に入る前、山が秋色一色に燃える、

色鮮やかな季節の到来です。

 

 

今日ご紹介するコーディネートは、

そんな秋の山を感じさせるもの。

 

来たる季節を、着物と共にお楽しみ頂けたらと思います。

 

 

幽玄なボカシ柄の小紋と、

秋の色に想いを馳せる帯の組み合わせです。

 

 

小紋は「遠山霞」という、

その名の通り、遠山の霞を思わせるボカシ柄のもの。

 

 

地模様になっている、波の様な縞柄は型置きでおこし、

多彩の霞柄は細かな刷毛で色付けした、何気なくも手間のかかった一品。

 

こうした柄付けの小紋は、

反物よりも誂えたものの方が一層良く見えるのが特徴で、

仕立ての際の微妙な柄の取り方や合わせ方が、

着物屋の腕の見せ処となる一反です。

 

 

合わせた帯も、同じく遠山柄のもの。

 

 

当店としては珍しい袋帯で、

一般的には「洒落袋」と呼ばれる紬や小紋に向く袋帯です。

 

 

このコラムでも何度か書かせてもらいましたが、

小紋や紬に合わせる帯は、袋帯よりも名古屋帯が美濃幸好み。

 

でも、この一本の様にさりげなくも力のある柄の小紋には、

二重太鼓になる袋帯のお太鼓姿も映え、華やかさが際立ちます。

 

 

今回は小紋に合わせましたが、

紬の絵羽に合わせても存在感が在る織り上がり。

 

すくい織りで織り上げた風情が良く、

また綺麗な黄色の配色も、秋の雰囲気を盛り上げてくれています。

 

 

綺麗な帯色をしかと受け止めてくれる、小紋自体の存在感。

 

 

とかく、この様な目立つ色目の帯を合わせると、

その帯だけが強調されてしまいがちなので、

実際にこの様な雰囲気の帯を合わされる皆さまにとっても、

そこがお悩みになるのではと思います。

 

帯を強調したコーディネートも素敵で、

自身の着姿のポイントがそこに重きを置くのであれば、

長着や無地系、小物も同系色にして、

帯の個性自体を前面に出すのも良いと思います。

 

今回ご紹介のコーディネートもそれに近く、

合わせる小物はあまり色を挿さず、

出来る限り季節感を感じる、同系色にまとめてみました。

 

 

着物が心地良く、色が心地良い、秋の季節。

 

 

皆さまも自分らしい色と共に、

素敵な季節をお過ごし下さいませ。

 

 

掲載商品詳細

千切屋謹製 遠山霞 小紋(絹100%) 136,000円(税別・反物価格)

すくい織り 袋帯「遠山」(絹100%) 240,000円(税別・反物価格)

 

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