和をたしなむ

2022.09.29更新 - 徒然なるままに

絹味が活きた織り上がりとなる様に。「手織り紬・結城紬 産地を巡る旅『地機織り』」

 

過日、関東を二日間かけて回った、

 

手織り紬・結城紬 産地を巡る旅

 

序段手織り・手仕事紬の良さを知る。

 

無限に広がる無地紬の色世界「小熊素子」

 

チームワークで仕上げる最高の一反

(結城紬 導入)

 

最終工程にして、最高の着心地を創り上げる

(湯通し)

 

歴史の重みと仕事観の大切さを学ぶ工場

(紺屋・染色)

 

微細な絣柄を大胆に染め上げる。

(紺屋・たたき染)

 

段々と糸に美しさが宿っていく。

(管巻き・ボッチあげ)

 

気の遠くなる様な絣柄を作る。

(絣くくり・墨付け)

 

 

さて、

結城紬の産地勉強も最終盤に。

 

反物として仕上がる最終工程である、

 

「地機織り」

の様子を拝見しました。

 

 

結城紬が無形文化財指定を受けるための、

ひとつの要件でもある「地機織り」。

 

 

多くの機織りは、

「高機織り」という、

経糸を機械的にテンションを掛けて、

椅子に座った状態で織る機織りですが、

結城紬は1,000年以上もの間、

変わらぬ機織りの方法で製織されています。

 

 

座ったような状態で、

経糸は腰でまとめてテンションを掛け、

適度に体重を掛けながら織り上げます。

 

 

手紡で紡ぎ出した真綿糸の、

しなやかかつ柔らかな風合いを活かし、

それを一反の生地として完成させる事は、

単調な仕事の様に見えますが、

実に繊細な仕事になります。

 

 

一本ずつ違う、

糸の状態を見極めながら、

一段一段、微妙にテンションを変えながら、

織り上げていく事は、

 

糸の事をよく知り、

一反としての全体像を知らないと、

出来ない仕事。

 

 

結城紬が結城紬たる所以。

 

 

地機織りが今なお残る理由が、

この決定的な織り上がりの違いにあります。

 

 

ただただ、受け継がれた来た事を、

重ねる事が目的ではなく、

結城紬らしい絹味が活きた布を、

これからも織り上がる事が目的。

 

 

その心意気を感じる光景でした。

 

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