和をたしなむ

2020.10.26更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

美しきものに洋の東西はなし。「勝山織物 九寸『アーツアンドクラフツ』」

 

秋冬の新作紹介♪

 

コラムをご覧の皆さまに、きもの美濃幸らしい季節の色を、

お楽しみ頂けたらと思っています。

 

 

今日は、九寸のご紹介。

 

モダンさと品格溢れる織り上がりを、お楽しみ下さいませ。

 

 

勝山織物 九寸「アーツアンドクラフツ」

 

西陣織の名店「勝山織物」さんが織り上げた、

黒経の名古屋帯です。

 

 

題名に在る「アーツアンドクラフツ」とは、

イギリスの思想家でありデザイナーであるウィリアム・モリス氏が行われた、

芸術工芸運動のこと。

 

この織柄も、モリスの柄を用い、配色を変えて、

九寸としての品格と、個性を表しています。

 

 

少し横道に逸れますが、

 

モリスの活動は、日本の「民藝運動」に影響を与えた様で、

モリスが活動していた当時のイギリスと、柳宗悦氏が活動していた当時の日本とは、

同じような世相や時代背景がであり、

産業革命といった物の大量生産が進む中で廃れていく、

手作りの良さやものつくりの精神を少しでも伝えていこうという、

洋の東西に関わらず同じ想いの元、活動をされていたのではと、私ながらに感じています。

 

 

そうした同じくする想いがあるからこそ、元々壁紙だったりしたであろうモリスの柄が、

帯という形を変えても活かされているのだと、模様を見つめながら思う次第。

 

 

織物とは思えないほど、微細な柄に配された色糸は、

勝山織物さんの個性を表しつつ、

 

 

西陣織という、日本の伝統工芸という技術を使いながらも、

柄に対するリスペクトを感じる織上がりです。

 

 

細部にわたるまで、色糸を変える、拘りの美しさ。

 

 

とはいえ、仕上がりに調和を感じるところが、

老舗の老舗たる所以です。

 

 

私の好きな言葉に、

 

「真に美しきものに洋の東西はなし。」

 

という言葉があります。

 

洛風林さんの創業者である堀江武氏の言葉だったと記憶していますが、

この帯の美しさは、正にその通りだと実感しています。

 

 

時代や国が違えども、人間が根底に持っている「美意識」は不変なもので、

その真摯な美意識に基づき作られたものは、不変の美しさを持ちます。

 

 

一本の帯からそうした想いを感じさせて頂けた事に感謝をしながら。

 

 

着物が好きな皆さまに結んで頂ける、

最良の一本となります様に。

 

 

掲載商品詳細

 

勝山織物 九寸「アーツアンドクラフツ」 185,000円(税別・反物価格)

 

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