和をたしなむ

2018.07.26更新 - 八寸・九寸(名古屋帯)

蝉の音と夏の涼感をお太鼓に。「絽九寸名古屋帯 蝉」

 

朝、セミの鳴き声が耳に届くとそれだけで、

「今日は暑い一日になるな。」と、じんわり汗ばんで来る気分になります。

 

とはいえ、それが無い夏も実に物悲しい夏というもの。

 

時には騒々しく感じる蝉の声も季節の風物詩として、

私たちの生活の音になっていると実感をします。

 

 

今日ご紹介する一品は、そんな季節感を存分にお楽しみ頂ける染帯。

そんな蝉の音をお太鼓に感じながら、夏の季節をお楽しみ下さい。

 

 

絽九寸名古屋帯 「蝉」

 

立木に止まる蝉の姿が、

友禅で染め抜かれた絽の九寸名古屋帯の一品です。

 

 

正直なところ、私は虫が大の苦手。。。

蝉を捕まえる事すら出来ません(涙)

 

ちなみに、都会横浜育ちの奥さんは、手掴みで蝉を捕まえる事が出来る強者。

都会育ちも山育ちも(名古屋は山ではないが)、あまり関係がない様です。

 

 

ただ、この帯の蝉はとても好きな雰囲気。

 

 

友禅らしい細やかな描写の美しさがありながらも昆虫独特の生々しさがなく、

でも、デフォルメされたものではない、リアルだけど愛らしさのある染め上がりです。

 

 

女性で「虫が大好き!!」という方は少ないとは思いますが、

それでもリアルなものよりは、むしろ「夏の涼感」を感じる柄の方が、

着物の場合は重要になります。

 

 

前腹はこの様な雰囲気に。

 

 

枝葉の柄が丁寧に描かれています。

 

 

この帯の中にいる蝉の姿は、先ほどのお太鼓のひとつだけ。

 

ひとつに収める所が品の良さに繋がりますし、

何より、沢山いたらそれは微妙かも。。。(虫嫌いの本領でしょうか汗)

 

 

柄はもうひとつ。

たれ先にも枝葉の柄が描かれています。

 

 

染帯の魅力は、

季節感を感じ、四季と共に在る柄を、

着物に取り入れる事が出来る事にあります。

 

織帯の場合だと、多数のロット生産をしなければ、

市販できるような帯の値段にはなりにくく、

ピンポイントの季節感ある柄はどうしても作りづらい環境です。

(綴れ・すくいは別として)

 

図案さえあれば、一本ずつ染めていく事が比較容易な染帯は、

この様なピンポイントの季節感を感じる柄を作りやすく、

それを目にする事も多いかと思います。

 

 

お太鼓に季節を背負い、四季と共に在る着物を楽しむ。

 

まだまだ暑い日が続きますが、色柄から涼感を取り入れて、

自分らしい着物と在る心地よい日々をお過ごし下さいませ。

 

 

《 掲載商品詳細 》

絽九寸名古屋帯「蝉」 (絹100%) 136,000円(税別・反物価格)

 

 

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