和をたしなむ

2018.01.10更新 - 徒然なるままに

黒の美しさと、受け継いでいく事の尊さ。

 

一昨日は成人の日。

当店でも御仕度のお手伝いを、何組かさせて頂きました。

 

といっても、当店で御仕度をさせて頂いたのは、男性の紋付き袴のみ。

 

きもの男子のご来店が増えている当店らしい傾向だと、

またそうして、着付けなどを頼りにして頂ける事を有難く感じておりました。

 

 

こうして、ハレの日、そして礼装のときを迎える時に、

いつも感じる事は、「黒の美しさ」と「受け継いでいく事の尊さ」です。

 

 

今回も成人式に向かわれる男性に、

当店で御仕度をさせて頂いた黒紋付き袴をお着付させて頂いたのですが、

羽二重の生地に丁寧に染め上げた黒紋付きの「漆黒」の美しさは、

他にはない、洗練された美しさを感じます。

 

ブラックフォーマルのスーツとはまた一味違う、

滑らかな羽二重に黒がしっかりと乗る事により、

吸い込まれるような深みのある黒が染め上がり、

その無駄のない美しさが、礼装としての格を最大限に高めてくれます。

 

 

最近では、男性も成人式に和装で向かわれる方も増え、

22年前、私が成人した頃はスーツで向かう事が当たり前だったので、

男性の和装に対する意識や価値観は変ったのだと感じますが、

それでも、本格的な「黒」で向かう方は、かなりの少数派な感じ。

 

金銀といったパッとした華やかさは欠ける様に感じるのかも知れませんが、

ハレの日を迎える衣裳としてこれに勝るものはないと、私は思います。

 

 

ちなみに、今回御仕度をさせて頂いたご家族様は、

男3兄弟(+お嬢様1名)の大家族で、

 

3人に着せる事を考えるのであれば、一式を誂えた方がリーズナブルだし、

何より、これから我が家の正式な黒紋付き袴を受け継いで行く事が出来る。

 

というお父様とお母様のご意向に添って、5年前に準備をさせて頂きました。

 

ハレの衣裳」とは本来そういったもので、

この黒紋付き袴は、お父様の想いを受けて代々当家の衣裳として、

子や孫の世代まで、節目を飾る一式として着続けていかれる事でしょう。

 

 

こうして着続け、受け継がれていく事、

またそのお手伝いをさせて頂けた事は、

きもの屋として、何よりの喜びであり、何にも勝る誉な事。

 

この黒紋付き袴の次の出番は、ご長男の結婚式かな。

その時が我が子の事の様に、楽しみな私たちです♪

 

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