和をたしなむ

2017.11.29更新 - 名古屋帯

本格的な型絵染の魅力を気軽にお楽しみ頂けます様に。「岡本隆志 型絵染九寸名古屋帯」

 

物惚れ」 「一目惚れ

 

という言葉は、このコラムでもよくよく出てくる言葉。

 

「着物屋」の経営者として、そんな言葉で自分を納得させ、

簡単に心動かされる自身を省みない事に甚だ呆れてくるのですが、

今日ご紹介する一品もそんな杞憂を吹き飛ばしてくれるくらいの、

「一目惚れ」をしてしまった、素晴らしい型絵染の九寸名古屋帯です。

 

 

岡本隆志 型絵染九寸名古屋帯 「唐草に鳥」

 

神奈川県湯河原に工房を構え、

ご夫婦揃って、型絵の創作活動をされている、

岡本隆志氏の型絵染の一品です。

 

型絵染は、

1956年にその祖といえる芹沢銓介氏が人間国宝に認定された際、

他の型染と区別するために付けた名称。

 

着物に使われる他の染色技法の主と違い、

作家が「図案作成」~「型彫り」~「染色」を行う専業制のなか物作りを行うので、

作者の意思や意図がそのまま、その染め上がりに如実に出てくることが、

作品の個性と面白さに繋がっています。

 

 

この一品も、「唐草に鳥」という比較的見慣れた題名ながらも、

唐草の構図の取り方や、流し方、そこに配された鳥の佇まい、

そして、型絵染の味を決める「配色の妙」が独特の世界観を放ち、

ぐっと引き込まれる魅力を持っています。

 

 

 

私が個人的に大好きなところは、配色と共に在る「構図の素晴らしさ」。

 

空気の流れ、水の流れの様な、自然な構図を創る事と共に、

そこに染める一色一色が加わる事で、無理のない、程よく肩の力が抜け、

また静物画なのに動きを感じる姿に仕上がっています。

 

 

前腹の様子はこちら。

 

 

片側は無地に仕上がっています。

 

通常、型絵染は、同じ型紙を送りながら染めていくのですが、

そうすると柄の印象を決める「鳥」が前腹では横を向いてしまうという事で、

この一品の場合、お太鼓の柄も少し小さめにおさめ、

同じ型紙を横にして前腹を染めているので、前腹半分は無地に仕上がりました。

 

柄の上下が整う事と、また柄付けが他のものに比べると程よく少なくなった分、

皆さまにお求めいただく札値も気軽になるというメリットもあり、

色々な意味で、本格的な型絵染の魅力を気軽に楽しむという事に繋がる事は、

お選びになる方にとっても、私たちにとっても嬉しいこと。

 

無地の紬や小紋などに合わせて、

そしてお一人ごとの個性に合わせて、存分にお楽しみ頂けたらと思います。

 

 

先に少々自虐的な事を書きましたが、

物惚れや一目惚れが出来るそんな一品に出会える事は、

今の時代の着物屋として本当に有難い事で、

そうしたご縁を創って下さる問屋さんやメーカーさん、

何より、心を込めたものを制作される作者の皆さまと物作りの現場には、

いつもいつも、心から感謝をしています。

 

数多の商品の中から、きもの美濃幸らしい一品を選び、

その物に心から惚れて、ご縁のあった皆さまにご提案をして、

同じく惚れて頂く方の元へと旅立っていく。

 

今年も、そんな幸せな着物屋冥利に尽きる瞬間に、

数多く立ち会わせて頂きました。

 

そうした商いをさせて頂けている事に心から感謝をして。

 

またそうした事を、これからも続けていける事を心から願いつつ。

 

皆さまにとって、物惚れをし、一目惚れの一品と共に在る、

素敵なひとときが訪れます様に。

 

 

《 掲載商品詳細 》

 

岡本隆志 型絵染九寸名古屋帯 (絹100%) 270,000円(税別・反物価格)

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